「キャッチコピーの型って、何十もあってどれがいいのか迷う」
そう思った経験ありませんか?
選択肢が多くなるほど悩んでしまうのが人間です(心理学でも、選択肢の多さは判断を鈍らせることが分かっている)。それに、適切なキャッチコピーはその時々によって異なります。
Aという状況では効果的なキャッチコピーでも、Bという状況では効果的ではないこともあるのです。状況に合わせた使い分けができなければ、真の意味でキャッチコピーの型を扱えているとは言えません。
教える側もこれを見越して、状況に応じた型の使い分けまで伝えなくてはいけません。そうでなければ、読者を迷わせるだけです。
本記事は、効果的なキャッチコピーを紹介するだけではなく、どんな場面で有効なのかも合わせてお伝えします。何度も読み返して実践を繰り返せば、キャッチコピーづくりに迷わなくなるでしょう。
広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。
キャッチコピーを自己評価する「BTRNUTSS」見出しチェッカー
これから紹介する型でキャッチコピーを書き上げたら、必ず自己採点をしてください。もしかしたら、もっと洗練されたものが書けるかもしれないからです。
自己採点する際、役立つツールがあります。
書籍『コピーライティング技術大全』(著 神田昌典・依田順一)に紹介されている、『「BTRNUTSS」見出しチェッカー』です。やり方は簡単で、以下の8項目を各5点満点で採点していくのです。できるだけスコアが高くなるようキャッチコピーを練り上げていきます。
「BTRNUTSS」見出しチェッカー
有益性 | 信頼性 | 緊急性 | 数字 | 独自性 | 話題性 | 意外性 | 物語性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ユーザーにとって得になる情報、役に立つ情報。メリットやベネフィット。 | 権威性、資格、実績、受賞歴、科学的根拠といった信用に足る情報。 | 今すぐにしなければいけない理由。 | 具体性。※キャッチコピーに数字は3つ以上数字を入れると紛らわしくなる | ほかにはない独自の売り(USP)、競合よりも優れているもの(優位性)。内容によっては意外性にも繋がる | 今流行の話題。 | 固定観念や常識をひっくり返る情報。 | 開発・誕生秘話、サクセスストーリーなど。 |
1~5 | 1~5 | 1~5 | 1~5 | 1~5 | 1~5 | 1~5 | 1~5 |
- すべてを5点満点にするのは不可能です。全スコアを高めるよりも、特定の項目に絞ってスコアを上げるのが有効です。
- 数字は必ず入れるようにしてください。数字はあるだけでコピーが強力になります。
作り終えたら、ChatGPTで評価・採点してもらう
キャッチコピーを書き終えたら、ChatGTPで評価してもらうことをオススメします。
「Creative Writing Coach」というプラグインを使い、以下の指示をしていただければ、評価・採点をしてくれて、かつ、改善策まで提案してくれます。
あなたは敏腕セールスコピーライターです。
指示に従い、以下の【キャッチコピー】を評価・採点してください。評価基準は、https://the-saleswriting.com/categorize-catch-phrase/#index_id1 の「BTRNUTSS」見出しチェッカーを参考にしてください。採点は各1~5点とし、合計点を表示。厳し目に採点してください。
終了後、点数を高めるキャッチコピーを複数提案してください。
1.Benefit(有益性):読者にとってのメリットや価値が明確に伝わるか
2.Trust(信頼性):権威や証拠などで信頼感を与えるか
3.Rush(緊急性):今すぐ行動しなければならないと感じさせるか
4.Number(数字):数字や統計などで具体性や説得力を高めるか
5.Unique(独自性):他とは違う特徴や差別化を示すか
6.Trendy(話題性):時事や流行などに関連づけるか
7.Surprise(意外性):予想外や驚きの情報を提供するか
8.Story(物語性):物語やエピソードなどで興味や感情を引き出すか
【キャッチコピー】
(ここにキャッチコピーを入れる)
◯◯と◯◯の要素を高めたキャッチコピーを提案してください。
キャッチコピー35の型
これから、キャッチコピー35の型をご紹介します。
これらの型は、組み合わせて使うこともできます。自己採点時にスコアが足りないなと思ったら、ほかの型と組み合わせてみてください。かんたんに総スコアを上げられるはずです。
ターゲット呼びかけ
汎用性抜群のキャッチコピーです。ほぼどんな商品にでも使えます。加えて、ほかのキャッチコピーとも組み合わせしやすく、これをベースに色々足していくとよいです。
ターゲットの指定は、「属性+属性」or「欲求+属性」の組み合わせで考えます。
属性とは、ターゲット顧客(ペルソナ)を構成する要素です。40代、男性、サラリーマン、都内勤務、妻子持ちといったものがそうです。要素を2つ組み合わせれば、ターゲットがだいぶ絞り込まれます。たとえば、「都内勤務の40代男性へ」と。
「欲求+属性」の組み合わせもターゲットを明確にします。「薄毛が気になり始めた40代男性へ」と。
どちらもカクテルパーティー効果が働き、該当するお客は嫌でも振り向かざるを得なくなります。
このキャッチコピーが優れている点は、必然的にターゲティングができるところです。ターゲティングに悩んでいたら、このキャッチコピーをまず考えてみるといいでしょう。
例
「冬の乾燥肌に悩む女子高校生へ 10代用に作られた保湿液があります」
「手堅く稼げる副業を探しているお父さんへ 60分でもOK! リモート仕事をご紹介します」
「年収を増した主婦13,527名! 年収を100万円増やしたい主婦はほかにいませんか?」
「Kindle出版をしたいけど、設定で躓いているあなたへ 代行設定サービスを始めました」
▶「有益性」「数字」「意外性」のスコアを上げやすい
検索キーワード
検索キーワードと同じキーワードを広告文の見出しに入れ、さらにLPのキャッチコピーにも入れる。このやり方は、検索エンジンからの集客ならそうそう外しません。
例
検索キーワード「Webサイト 作成」→「Webサイトの作成なら◯◯、今なら無料でお試しできる」
検索キーワード「給湯器 故障」→「【60分以内に到着】給湯器の故障の修理なら◯◯」
検索キーワード「DM制作 依頼」→「DM制作の依頼なら◯◯お任せ! 今なら特別価格」
▶キーワード次第で、どれとも結びつく。
似たような意味の単語(キーワード)でも、ニーズがガラッとかわります。
たとえば、検索キーワードで「◯◯作成」と入力する人は自作を考え、「◯◯制作」と入力する人は依頼を考えています。
お客が使っている言葉は何か。単語レベルまで落とし込んで考えるようにしてください。
方法
基本構成は「できる(た)+数字+方法」です。
「方法」以外にも「秘密」「テクニック」「鉄則」「法則」「ポイント」「コツ」などのキーワードがあります。
特に検索エンジンで情報を漁っている人には有効です。「方法」を探している人が多いからです。
例
「1日30分で毎月10万円稼げるネット起業法」
「デブオタでも彼女ができた3つのテクニック」
「株式投資で成功するための5つの鉄則」
▶「有益性」「数字」のスコアを上げやすい
なぜ
「なぜ」「どのようにして」「どうして」と入り、得られた(る)ベネフィットを提示します。得られる秘密で惹きつけます。幅広く使えるキャッチコピーの型です。
「なぜ(どうして)◯◯できたのか?」という形は、すでに◯◯ができている前提の話になるため、ベネフィットが伝えやすくなります。
例
「なぜ、キモオタの友だちに彼女ができたのか」
「なぜ、生活保護者だった私がフェラーリを乗り回せるようになったのか」
「どのようにして私は1億円貯金したのか」
「どうして1,000記事書いても儲からないのか?」
「どうやったら偏差値35でも東大に合格できるのか?」
▶「有益性」「数字」「意外性」「物語性」のスコアを上げやすい
問題提起
読み手が抱える問題、気づいていない問題を提起します。「間違い」「悩み」「落とし穴」「失敗」などがキーワードです。
例
「投資初心者が陥る3つの落とし穴」
「◯◯な症状、もしかしたら△△かもしれません」
「住宅選びでこんな間違いをしていませんか?」
▶「緊急性」「数字」「意外性」のスコアを上げやすい
認知的不協和
読み手の常識を崩すことで興味を引くやり方です。当たり前と思っているものほど効果を発揮します。
例
「早期教育は子供の頭を悪くする」
「合格率で塾選びをすると志望校には受かりません」
「報連相しない組織は上手くいく」
▶「話題性」「意外性」のスコアを上げやすい
仮定
「仮定」を使った有名な書籍に『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(著 岩崎 夏海)があります。ほかにも、『もしアドラーが上司だったら』(著 小倉 広)、『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(著 眞邊 明人)も人気です。
書籍やWebコンテンツの場合は、「もし~~だったら」だけでも成立しますが、LPのキャッチコピーの場合は、もう一言加える必要があります。「もし~~だったら、◯◯です」「もし~~だったら、◯◯が得られます」など。
例
「もし小学生の学力を上げたいなら、漢字の「読み」の習得が最重要です」
「もしあなたが起業3年以内なら、100万円の補助金が得られます」
「もしあなたが大学生なら、迷わず株式投資を始めなさい」
▶「有益性」「数字」「意外性」「物語性」のスコアを上げやすい
勧誘
ポジティブな未来やネガティブが解決した未来を見せて、ユーザーを誘うキャッチコピーです。魅力的な提案をする際に使ってください。
例
「1日5時間のテレワーク勤務で働いてみませんか?」
「希望通りのパートナーを見つけたい人は、ほかにいませんか?」
「保険料を安くしたい人はほかにいませんか?」
▶「有益性」「数字」「意外性」のスコアを上げやすい
新着情報
市場の認知度が高い商品、顧客から期待されている商品が新たに発売されている時に使えるキャチコピーです。基本的には、大企業の商品か、既存客に人気の商品でしか使えません。ですが、一定数いる「新しいもの好き」と取り込むにはもってこいのコピーです。
「発表」「新登場」「新発売」「新感覚」「新手法」「ついに」「いよいよ」「お待たせしました」「とうとう」「さあ」「日付」といったワードが使えます。
例
「発表! 新型プリウス」
「SNS時代の新マーケティング」
「いよいよ東京オリンピック開幕です」
「11月22日 ボジュレヌーボ解禁!」
「脂質を食べて痩せる! 全く新しいダイエット法」
「25年も待たせやがって! 映画『SLAM DUNK』ついに公開」
▶「独自性」「意外性」のスコアを上げやすい
無料
「無料」は魔法の言葉です。強力な集客力を持っています。
「無料」の類似ワードに「タダ」「プレゼント」「進呈」があります。「無料」よりもパワーは落ちますが、「割引」「◯◯%OFF」「値引き」「セール」も強力です。
「無料」を使うコツは、できるだけキャッチコピーの頭に持ってくることです。それだけで人の目を引き付けますし、CVRも高まります。無料は商品でなくても構いません。手数料、送料、組立費といった付属物でもいいのです。「無料」という言葉を使うのが肝要です。
例
「3本買えば1本タダ!」
「無料お試し実施中! 3ヶ月間体験入学ができます」
「今なら送料、カード手数料が無料! 最新の高性能パソコンをお届けします」
「10万円分の付属品をプレゼント」
▶「有益性」「緊急性」「数字」「話題性」のスコアを上げやすい
試す
クイズを出したり、診断や査定できる旨を伝えて関心を引きます。特に自分のことを調べられるものがいいです。誰しも、一番興味があるのは自分だからです。
例
「偏差値65~70レベルの出題です。あなたは解けますか?」
「えっ、こんなに高い給料がもらえるの!? あなたの市場価格を今すぐチェック」
「あなたは、王様タイプ、職人タイプ、軍人タイプ、学者タイプのどれですか? 今すぐ診断」
「チェックをいくつ入れられますか? 3つ以下は老後資金が危ないです。解決策はこちら」
▶「数字」「意外性」のスコアを上げやすい
対比
失敗と成功を対比させたり、2つの価値観を対比させたりします。週刊誌ではよくある見出しのパターンです。興味関心を引いてコンテンツを読んでもらうにはうってつけです。
例
「貯蓄する人、借金する人 部屋を見たらひと目で分かる」
「結婚を逃す女性、玉の輿に乗る女性 普段の話し方に違いがあった」
「リモート派vs出社派 出世するのはどっちだ」
「投資信託派vs株式投資派 儲かるのはどっち?」
▶「話題性」「意外性」のスコアを上げやすい
この、これ、あれ
「この」「これ」「あれ」は、好奇心をそそる書き方です。特定の商品だけを支持したり、説明する時に使えます。
例
「私はこのエアコンで月5,000円も節約しました」
「上場企業の6割が購読している雑誌はこれです」
「AI時代に市場が拡大する分野はあれです」
▶「有益性」「数字」「話題性」「意外性」のスコアを上げやすい
どれ、どの
「どれ」「どの」は、「どれがいいのか」「どの商品を選べばいいのか」と悩んでいるお客に向いています。商品比較をメインに持ってくる際に使えます。
例
「最も安い電力会社はどこか?」
「どの車が最も長持ちするのか?」
「あなたの肌荒れの原因はどれですか?」
▶「有益性」「意外性」「話題性」のスコアを上げやすい
感嘆語
「まさか」「驚愕」「驚きの」「そんなことが」「えっ!」「ビックリ」「げげげ」「ほほー」「そうなんだ!」「おおっ!!」「あっ」「えっ!?」「驚いた」「信じられない」「そうだ」「おおっ」「そんな~」「なんと!」「まさか!」「あれれ」「やれやれ」「!!!」といった、心が動いた時に思わず口から出る言葉を使います。
ちなみに、ネットでよく見る見出しの「一同驚愕」がこれです。「一同」って、どこにいる誰なのか分かりませんが。
例
「えっ!まだ銀行にお金を預けているのですか?」
「イヤーー!! 顔のシミがまた増えてるー!」
「そうだったのか! 新電力に契約してはいけないわけ」
「驚愕! 異常なしだと思っていた肝臓の機能が落ちていたなんて」
「まさか、音楽経験ゼロの私がピアノを弾けるようになるなんて」
「そんなことが! イクメンパパで知られていた夫が不倫していたなんて」
▶「有益性」「緊急性」「話題性」「意外性」のスコアを上げやすい
指示
「~~してください」「~~しないでください」は、本のタイトルにもよく使われるコピーです。良いとされているものを否定されたり、悪いと思っているものを勧められたりすれば、インパクトが強くなります。
有名なのは『買ってはいけない』です。その後も、『もっと買ってはいけない』も出版され、『「買ってはいけない」は買ってはいけない』といった反論書籍まで出てきました。一読者として、一連の流れが面白かったのを覚えています。
例
「その不動産、買ってはいけない」
「朝食は、食べてはいけない」
「今すぐ預金を使い切りなさい」
▶「緊急性」「話題性」「意外性」のスコアを上げやすい
簡単・確実・早く
ここでは3つの型を同時に紹介します。一つにまとめておいたほうが理解しやすいからです。
人は自分の欲求を「簡単」「確実」「早く」に叶えたいものです。もし「価値=欲求の実現」と規定するなら、「簡単」「確実」「早く」は価値の本質になります。
特に問題解決型の商品の場合は、3つのいずれかは伝わるようにしたほうがいいです。また、できる限り数字で表現してください。
「1日5分で10キロ痩せるお手軽◯◯」(簡単+欲求達成)
「96%がダイエットに成功した◯◯法」(確実+欲求達成)
「15日で3kg痩せられる◯◯法」(早く+欲求達成)
▶「有益性」「数字」「独自性」「意外性」のスコアを上げやすい
ストーリー
有名なコピーの一つに「私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも弾き始めると……」があります。ストーリーテリングは使いこなせると強力な武器になります。もしストーリーを全面に出したセールスコピーを書くなら、キャッチコピーもそれにそった形がいいでしょう。
例
「45歳で解雇された無貯金男がいかにして上場企業を立ち上げたのか」
「ステージ4と告知された人間の復活ストーリー」
「借金100億円からV字回復させた感動物語」
「億万長者になった私の、人生の分岐点とは」
「100人切りをした私ですが、学生時代はただのキモオタでした」
「やっちまった……」
「今だから話せます」
▶「意外性」「物語性」のスコアを上げやすい
関連記事:セールスライティングに使えるストーリー3つの型&事例
ビフォー・アフター
基本構成は「◯◯だった△△が~~に」「◯◯だった△△が□□をして~~を手に入れた」です。
ビフォー・アフターで最も大切なのは、意外性(ギャップ)です。有名なのが書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』です。低い偏差値から慶應大学に入れたというギャップがコピーの魅力になっています。
例
「社内のモチベーションが最悪でした。リーダー研修会を受けるまでは……」
「ニートだった僕が1年間で億り人に」
「カースト下位だった僕が、美女100人切りに」
「主婦の私でも月収30万円を達成できました」
「誰もがDMでは稼げないと言った。でもその結果は……」
▶「有益性」「信頼性」「数字」「意外性」のスコアを上げやすい
メリット・ベネフィット
「メリットではなく、ベネフィットを語れ」と、セールスコピーの世界ではよく言われます。しかし、ついついベネフィットを伝えそびれちゃったりしますよね。そんなことを回避するためにも、今回のキャッチコピーを覚えておくとよいでしょう。
メリットとその先にあるベネフィットも一緒に伝える型のため、伝えそびれることはありません。
例
「株式投資でFireしたら、ミスコン優勝の彼女まで手に入った」
「チームの生産性が上がり、上司の私は出世に成功しました」
「自動食器洗浄は家事をラクにし、家族との時間を増やします」
「50歳からの3000万円貯める株式投資。子どもに頼らず悠々自適に」
▶「有益性」「数字」「物語性」のスコアを上げやすい
諦めるにはまだ早い
基本構成は「諦めていませんか?+解決法」です。半ば諦めかけている人、挫折経験者に有効です。
例
「シングルマザーだからとマイホームを諦めていませんか? ◯◯なら新築も夢ではありません」
「禁煙なんて無理。そう思っていませんか? ◯◯なら、無理せずにタバコを辞められます」
「食事制限なんてできない。そんなあなただからできるケーキダイエットがあります」
▶「意外性」「数字」「物語性」のスコアを上げやすい
でも大丈夫
基本構成は「悩み+大丈夫+解決策」です。悩み解決型なら、何にでも当てはめられます。
例
「『2週間後に試験、間に合わない!』 大丈夫、この参考書なら1週間で間に合います」
「大事な打ち合わせなのに二日酔い。ご安心ください。一粒飲めば頭スッキリ」
「年賀状を書く時間がなくても大丈夫。あなたに代わって代筆します」
▶「有益性」「意外性」のスコアを上げやすい
危険
人は得よりも損に1.5倍から2.5倍強く反応することが分かっています。行動経済学ではこれを「損失回避バイアス(損失回避の法則)」と呼びます。
ほかにも、400人の被験者を使った実験では、恐怖はニュートラル時と比べて、脳(扁桃体)が7倍活性化することが分かっています。ちなみに、SEXは4.8倍。様々な研究で明らかになっているのは、人はポジティブよりもネガティブに強く反応する生き物だということです。つまり、ネガティブな情報は注意を引きやすいのです。
「危険」「注意」「警告」「被害」といったワードだけでも人の目を引く力があります。
例
「危険!◯◯地域に家を建ててはいけない」
「警告!老後の資金は、2,000万円では足りません」
「注意!今後30年アパート経営は難しくなる」
▶「緊急性」「数字」「意外性」のスコアを上げやすい
煽る
ユーザーがしている失敗や誤解を少し誇張、小馬鹿にしたキャッチコピーです。有名なのは、ブロガーであるイケダハヤト氏のブログ名『まだ東京で消耗しているの?』です。都会人を完全に煽りに来ていますね。
煽っている分、見てもらいやすくなりますが、反感を買うおそれがあるため扱いには気をつけてください。
例
「ウイルスソフトをまだ使っているの?」
「婚活アプリを使っているあなたは負け組です」
「今の年収でまともな教育を子どもに与えられますか?」
「あなたのお子さんは、この問題が解けますか?」
▶「緊急性」「話題性」「意外性」「物語性」のスコアを上げやすい
解決策
基本構成は「~~(悩み)が解決する+商品名」「~~(悩み)が解決する+商品名+とは」です。商標名で検索してきた人に有効です。商品価値が端的に伝わり、一から商品を説明するにはもってこいです。
加えて、ほかのキャッチコピーとも組み合わせがしやすく、これをベースに色々足していくといいでしょう。
例
「頑固な排水口の汚れが落とせるAAA洗浄剤」
「メタボ体型とサヨナラできる◯◯体操とは」
「離婚後の生活を支援してくれる◯◯サービスとは」
▶「有益性」「独自性」のスコアを上げやすい
仮想敵
基本構成は「◯◯は△△の敵(原因)」です。自明なことよりも、意外な敵だと関心を引きます。
例
「冬の乾燥は肌の大敵。冬でもプルプルになれる美肌ケア」
「子どもが宿題をしない真因は、実は親! 『勉強しなさい』の一言がやる気を削ぐ」
「成績が上がらない原因は睡眠不調!脳を全回復させる睡眠法」
▶「独自性」「意外性」「物語性」のスコアを上げやすい
ゴシック
関係者が告白している形にします。「業界の闇」「告白」「激白」「裏側」「真実」などがキーワードです。
例
「元社員が告白。A社の商品の裏側とは」
「業界の闇! 隠された食品表示偽造」
「元研究者が激白! 化粧品の成分は肌に一切浸透しない」
▶「有益性」「信頼性」「話題性」のスコアを上げやすい
お客様の声
お客様からいただいた声を見出しに使うキャッチコピーです。本音から出た言葉は、売り手が頭を悩ませて出す言葉を凌駕することがあります。いただいたお客様の声の中から、キャッチコピーに使えるものはないかと探してみてください。
例
「今の肌艶を知ったら、以前の肌には満足できなくなりました」(◯◯市在中 AAさん 38歳 女性)
「県内で1番の成績になったとき、教材の凄さがわかりました」(△△市在中 BBさん 18歳 男性)
「この間は20代の男性にナンパされました。私は50代なのに」(□□市在中 CCさん 54歳 女性)
▶「有益性」「物語性」のスコアを上げやすい
専門
専門性がある旨を伝えるだけで、人はそのものの価値を高めに評価します。「イタリアンレストラン」のスパゲティよりも「スパゲティ専門店」のスパゲティのほうが美味しいはずだと思うでしょう。これと同じです。「専門」「専用」「特化」「集中」「◯◯用」「~ための」「~にだけ」「限定」などのワードは、専門性を表現します。
例
「朝専用緑茶」
「女性限定フィットネスクラブ」
「ファーストビュー専門デザイナー」
「50歳からの歯周病予防の歯磨き粉」
「すぐに寝付けない人のためのヒーリングミュージック」
※「専門」は、マーケティング戦略(ポジショニング)が反映されるキャッチコピーです。
▶「信頼性」「独自性」のスコアを上げやすいです
関連記事:「売る」の本質は「期待」にある! 期待で売るマーケティング
信頼
誰でも、買い物で失敗はしたくありません。失敗を回避するために、人は信頼を求めます。信頼性を担保する素材があれば、それを前面に出していきましょう。
キーワードは、「御用達」「一流」「プロ」「ロングセラー」「選ばれ続けて◯◯年」「過去◯◯件の実績」「◯◯もご愛用」などです。
例
「一流のシェフ~~氏も使う調味料」
「選ばれ続けて130年になる、京都の老舗旅館」
「LP制作数13,263 培ったノウハウで成果をお約束します」
「セレブも御用達 最高の神戸牛が食べられる◯◯店」
▶「信頼性」「数字」「独自性」のスコアを上げやすい
権威
人が権威に弱いことはよく知られています。知識に乏しい人や何を選択して良いのか迷っている人は、特に権威に従いやすいです。あなたが医者の言う通りにしているのもそのためです。
例
「100歳の現役医師が奨める長寿献立」
「全戦全勝の弁護士が使う最強の詭弁術」
「東大主席が愛用している学習書」
「オバマ大統領も飲んだ!日本酒『◯◯』」
▶「信頼性」「数字」のスコアを上げやすい
悪徳
「奴隷」「詐欺師」「ヤクザ」「殺意」「バカ」「アホ」「不倫」「騙し」といった悪徳な言葉は、人の関心を引きやすいです。
例
「奴隷のように部下をこき使う洗脳術」
「操を守ってきた女性も即落ちるナンパ術」
「詐欺師から学ぶ 有り金を全て払わせるトーク術」
「法律スレスレ ◯◯税を限りなくゼロにする節税術」
▶「有益性」「意外性」のスコアを上げやすい
優位
競合に勝っている、または独自性(差別化)を示します。
キーワードは、「№1」「唯一」「パイオニア」「初」です。
例
「プロバイダー市場 シェア№1」
「AI学習塾のパイオニア」
「業界唯一の返金保証」
「業界初の組み立て式」
▶「信頼性」「独自性」「意外性」のスコアを上げやすい
ランキング
人はランキングが大好きです。できれば、「私が選ぶ~~」よりも、「みんな」「信頼」「権威」と組み合わせたほうが説得力は生まれます。
基本的には、1位に売上が集中します。LPというよりも、記事LPやコンテンツ記事に使える見出しです。アフィリエイターにはうってつけです。
例
「100人の女子に聞いた、彼氏にされて嬉しいことTOP3」(みんな)
「20代女子が選ぶ出会い系アプリ ベスト5」(みんな)
「三ツ星シェフが選ぶ冷凍食品BEST10」(信頼)
「弁護士が教える裁判中に使える詭弁術ベスト5」(権威)
▶「有益性」「数字」「話題性」のスコアを上げやすい
みんな
人は、大勢が選択しているものを選択したがります。心理学では「社会的証明の原理」「バンドワゴン効果」と呼ばれている心理作用です。
「売り切れゴメン」「今話題の」「トレンド」「◯◯の超定番」「◯◯に来たらまずはこれ」「話題騒然」「海外でも人気」「~~な人は、必ず訪れる」などがキーワードです。できれば、人気度合いは数字で表わすようにしてください。
例
「今季、最高視聴率(30.8%)を博したアニメは◯◯」
「海外でも大人気を博してる『進撃の巨人』の魅力とは」
「40代女性の82%が満足と答えた化粧品」
▶「信頼性」「数字」のスコアを上げやすい
キャッチコピーの型は、ほかの型と組み合わせて使うと効果的です。
ベースになりやすいのは、「解決」「ターゲット」「検索キーワード」です。
何にでもひっつきやすいのは、「無料」「新着」「優位」「簡単、確実、早く」「みんな」「信頼」「権威」です。
キャッチコピーを購入意欲(レベル)別で使い分ける
キャッチコピー35の型をご紹介しました。
続いては、キャッチコピーをどう使い分けたらいいのかについて解説します。
お客に響くキャッチコピーかどうかは、お客の購入意欲によって異なります。具体的には、購入したい商品がほぼ決まっている人(選定レベル)、どの商品にしようか悩んでいる人(比較レベル)、ニーズが発生して色々と調べ始めた人(予備知識レベル)、元々関心がある人(関心レベル)があります。
この4つの購入意欲(レベル)別の解説と合わせて、適切なキャッチコピーの型を紹介します。
※ここでは、便宜上、ネットユーザーを想定して話を勧めます。
購入意欲 高(選定レベル)
客層
- 商品名や企業名で検索してきたユーザー
- インフルエンサーの紹介から来たユーザー
- 見込み度の高い既存客(ハウスリスト)
ここの層は、購入したい商品が大方定まっているユーザーです。でも、まだ若干の不安が残っているため、商品の評価を調べていたりします。
また、インフルエンサーの紹介や見込み度の高いハウスリストも、購入意欲の高いユーザーです。上記と違うのは、信頼関係が担保されているため、ほかの評価を気にせず購入してくれる点です。基本的には、本商品を勧めていきます。
オファー
- 物販なら、本商品の販売
- サービスなら、本サービスの申し込み
※商品によっては、資料請求や無料体験、お試しセットでもOKです。 - コンテンツなら、本教材のお申し込み
広告
- リスティング広告
- SEO
- リターゲティング
SEO・リスティングの検索キーワード
購入意欲が高いユーザーは、商品名を加えたキーワードで検索してきます。たとえば、「AA化粧品 口コミ」「AA化粧品 体験談」「AA化粧品 評価」などです。同じように、SNSでも評価を気にして特定の商品名を検索しています。特に若年層はSNSを使っています。
キャッチコピーに必要な要素
「有益性+商品名+オファー」が基本要素です(ほかの要素を加えても構いません)。
通常、商品名を表に出すキャッチコピーは、既存客、それも見込み度の高いお客にしかしません。売り込み臭がきつくなるからです。ですが、すでに商品を購入しようと考えているユーザーであれば話は別です。商品を前面に出しても問題ありませんし、むしろ出したほうが親切です。
「商品名」を付けて検索してくるユーザーは見込み度が高いため、できるだけLPへ誘導しましょう。
例
「あのAA商品が刷新 さらに◯◯が増量してパワーアップ 今なら30%OFFでお求めいただけます」
「365,784人が減量中! グラビアアイドルもボディビルダーも使っているAAアプリ 今なら、お試し価格で始められる」
「僕が司法書士試験を一発合格できたのは、◯◯学習塾のおかげです」(◯◯さん 22歳 男性)
「AmazonAudibleなら通勤時間が読書タイムに生まれ変わります。今なら1ヶ月間無料」
なぜ/ターゲット呼びかけ/勧誘/新着/無料/検索キーワード/専門/感嘆語/簡単・確実・早く/でも大丈夫/解決策/お客様の声/みんな/信頼/権威
購入意欲 中の上(比較検討レベル)
客層
- 見込み度の高い検索キーワードで来たユーザー
- 様々な商品を比較検討しているユーザー
自分の欲求を満たすためにどんな手段(商品)があるのかを探している最中です。商品選びに失敗したくないためにいくつかの商品を比較し、自分に合ったものを選ぼうとしています。
ここの層は手堅く抑えておきたいです。リスティング広告は当然とし、SEOでも上位に表示させてユーザーを囲い込んでおきましょう。
ここの層をどれだけCVできるかによって、Webマーケティングの成否が決まると言っても過言ではありません。
オファー
- 物販なら、本商品の販売orお試し商品の販売
- サービスなら、本サービスの申し込みorお試し体験
- コンテンツなら、本教材の申し込みorお試し視聴
※商品によっては、資料請求や無料体験、お試しセットでもOKです。
広告
- リスティング広告
- リマーケティング
- SEO
- アフィリエイト
検索キーワード
購入意欲が中のユーザーは、まずどんな商品や会社があるのかをざっと調べています。
その際使うキーワードが「○○対策」「○○依頼」「○○相談」「○○制作(製作)」「○○通販」「○○注文」「○○受講」「○○予約」「○○費用」です。これらのキーワードで出てきたサイト(会社・商品)をざっと見ていきます。
商品や会社が沢山ありすぎて迷ったら、他人の評価を調べ始めます(候補が見つかれば、「選定」レベルに上がります)。その際使うキーワードが「◯◯お勧め」「◯◯比較」「◯◯ランキング」などです。こういったキーワードを攻めやすいのがアフィリエイターです。
キャッチコピーに必要な要素
「有益性+独自性+オファー」が基本要素です(ほかの要素を加えても構いません)。
比較検討しているため「独自性」は必ず伝えておく必要があります。競合のサイトを見て回って、独自性が印象に残っていればまた戻ってくる率は高いです。
たとえば、「敏感肌にお悩みの方」と呼びかけ、「赤ちゃんにも使えるほど肌に優しい」と有益性を伝えます。「100%天然成分」といった独自性を打ち出したとします。これなら、誰に向けた商品なのか、どんな商品なのかが一発で伝わります。
例
「リフォーム実績地域№1 まるで新築を建てたようなデザインと機能性を安価にお届けします。◯日まで10%OFF」
「驚異の成婚率94% AIによる相性診断で、あなたにピッタリな人をご紹介できます。相性診断は無料です」
「どの車を選ぶのが一番経済的なのか。価格とランニングコストからお得な車をご紹介します。ご提案は無料です」
なぜ/新着/無料/対比/どれ、どの/優位/検索キーワード/専門/ビフォーアフター/メリットベネフィット/危険/権威/みんな/信頼/ランキング
購入意欲 中の下(予備知識レベル)
客層
- ニーズが発生し、そのニーズや解決策について調べはじめたユーザー
たとえば、突然、肌が荒れはじめ、何で肌荒れが起きるのかを知らない。ネットなどで肌荒れについて調べ始める。そういった層を想定しています。
まだ知識が乏しいため何が原因なのか、どんな解決策があるのかが分かっていません。お金がかかるのか、かからないのかも。ただし、場合によっては商品を購入してもいいと考えています。
ここで大切なのは、ユーザーが「比較検討」の段階に行く前にCVさせてしまうことです。まだ知識がない状態ですから、「ここで問題なさそう」と思わせられれば、そのままCVしてくれます。
オファー
- 緊急性が高い、または、悩みが深ければ、本商品やサービスを販売。
- 緊急性が低い、または、悩みが浅ければ、サンプルや無料お試しを提供
広告
- リスティング広告
- リマーケティング
- コンテンツターゲット
- 類似ユーザー・ユーザー属性
検索キーワード
悩みの原因や解決策を知ろうと検索エンジンを使います。
まず、今自分が抱えている悩みは何なのかを調べます。たとえば、「◯◯ 原因」「◯◯ 栄養」「◯◯ 解決策」と。
次に、分かった原因や解決策についてさらに詳しく調べます。当たりをつけたら、「◯◯とは」「◯◯(成分) 野菜」などと検索して、さらに詳しい知識を得ようとします。
これらのキーワードに合わせて広告を張っていたり、コンテンツ記事を用意しておきます。
自分がお客の立場になって、知識のない分野においてニーズが発生したとき、どんな検索キーワードを打つのかと想像してみるといいでしょう。商品によっては、記事LPやコンテンツ記事を挟んでからLPへ誘導したほうがいいかも知れません。
キャッチコピーに必要な要素
「有益性+意外性」「有益性+物語性」が基本要素です(ほかの要素を加えても構いません)。
例
「肌荒れの原因は◯◯にあった! ◯◯を防ぐ△△の成分が通常の5倍」
「なぜ彼は、父親の借金10億円を相続せずに済んだのか。失敗できない負の相続対策」
「家の寿命を伸ばすリフォーム、縮めるリフォーム その違いは◯◯にある」
なぜ/問題提起/ターゲット呼びかけ/仮定/対比/この、これ、あれ/どれ、どの/ビフォーアフター/指示/検索キーワード/仮想敵/危険/ランキング/悪徳な言葉/専門
購入意欲 低~中(関心レベル)
客層
- 興味はあるけど、購買意欲は特にないユーザー
- たまたま記事が目についたユーザー
- 類似商品を購入したことがある
「何度かダイエット商品を購入したことがあるため、ダイエット関連には興味がある」といった欲求度を想定しています。関心がある分、情報への感度は高いです。
こうした層に効率よくアプローチできるのが、Facebook広告やインスタレストカテゴリです。情報を欲している分、コンテンツビジネスやコンテンツ提供と相性がよいからです。記事LPを使って集めるのも有効です。
私はFacebook広告を使って、セミナー集客を何度もしてきました。CVRは大体2%、高いもので4%を出したセミナーもあります。客層と広告と提供物がうまくマッチすれば、こうした結果も出ます。
オファー
- 物販なら、本商品の販売orお試し商品の販売
- サービスなら、本サービスの申し込みorお試し体験
※商品によっては、資料請求や無料体験、お試しセットでもOKです。 - コンテンツなら、本教材の販売
- 無料レポートやメルマガ
広告
- インスタレストカテゴリ
- Facebook広告(興味関心)
- SEO、音声動画メディア
キャッチコピーに必要な要素
「有益性+信頼性」「有益性+物語性」「意外性+物語性」が基本要素になります(ほかの要素を加えても構いません)。
例
「ECサイトで月商1000万円売り上げたWEBマーケティングのプロが教える! WEBサイトのアクセス数を3倍に増やすSEO対策」
「年間3億円をコンスタントに売り上げてきたセールスマンが教える! 世界最高峰の心理学NLPを活かしたセールス・メソッド」
「LINE@セミナー実績№1の講師が教える! あなたのお店を満席にするLINE@集客セミナー ~アカウントの開設から集客まで、すべてが分かる3時間~」
※上記3つの例は、実際私が集客に成功したセミナーLPのキャッチコピーです。
「ニートだった僕がどうやって月1,000万円稼げるようになったのか? 不労所得までの5ステップ」
「偏差値35からの逆転! 東大に合格する5つの超暗記法」
方法/なぜ/問題提起/認知的不協和/ターゲット呼びかけ/新着情報/無料/指示/優位/簡単・確実・早く/ビフォーアフター/諦めるにはまだ早い/でも大丈夫/危険/解決策/ゴシック/驚き!/権威/みんな/信頼/煽り/悪徳な言葉
自社のWebサイトにアクセスしたユーザーが見るLPはどれにしたらいいのか。
基本的には、選定レベルか比較検討レベルのLPです。リピートユーザーからのアクセスが多いのであれば、「選定レベル」のLP、新規ユーザーからのアクセスが多いのであれば「比較検討レベル」のLPがいいでしょう。一番無難なのは、「比較検討レベル」のLPです。「選定レベル」のユーザーが多くても対応できるからです。
キャッチコピーを欲求の7段階で使い分ける
購入意欲(レベル)を別の表現で表してみました。先ほど紹介した『購入意欲(レベル)』と比べて、好きなほうを使ってみてください。
1.対策の必要性と重大さに気づいていない
- 「味覚は3歳で作られる」「中学受験の成否は、小学5年の夏休みで決まる」などと現状維持のリスクやユーザーが知らない潜在リスクを伝える。
- LPの前半部分でリスクをしっかりと伝える。記事LPとLPに分割するのもよし。
- 必要性に気づいていないため、当然検索なんてしていない。広告を打たないと接触できない。
2.対策の必要性に気づいているが、「一時的」「まぁ大丈夫だろう」と思っている
- 「週5日飲酒、そのままだとアル中になります」「その悩み、放置していると後で大変なことになります」などと危険信号である旨を伝える。
- LPの前半部分でリスクをしっかりと伝える。記事LPとLPに分割するのもよし。
- 検索するほどの必要性にまだ気づいていないため、広告を打たないと接触できない。
3.対策を検討し始めた
- 「まだ対策を始めないのですか?」「今始めるのが効果的です」などと対策への背中押しをする。
- ターゲットは悩みに関する広告が目に付き始めている。これ以上決断を先送りにしないようにとメッセージを送る。
- リ・マーケティングなどが有効。LPの前半部分でリスクをしっかり伝える。記事LPとLPに分割してもよし。
- 検索をし始めているため、Web記事(ブログ記事)からアクセスを集められる。
4.対策を色々検討しはじめ、競合商品も知っている
- 「◯◯で選ぶなら」「ほかにはない」「◯◯商品だからできる抜本対策」「唯一」「№1」などと、競合よりも優れていることをアピールする。
- ターゲットが関心を持っているところが強みでないと意味がない。訴求ポイントをズラしたLPをいくつか用意してテストをする。リ・マーケティングがよい。
- 対策する必要性を十分理解しているため、LPでリスクを訴える必要性は薄い。不安や心配事がネックになっているのなら、それらを解消する情報を前に出す。
- 初めて商品を購入するため、まずは実績のあるところから購入しようとする。
- 選ばれるか選ばれないかの勝負どころ。
5.最近、何かしらの商品を使い始めた
- 「今お使いの△△(商品カテゴリー)、本当にベストな選択と言えますか?」「今お使いの△△(商品カテゴリー)、□□への不満はありませんか?」などと、今使っている商品が正解と言えるのか、欠点や不安を煽ってスイッチングを促す。現状商品の不満点を挙げて、ほかの手段もあることを伝える。
- 他社との決定的な違いを視覚的に伝えられるとよい。
6.今使っているものに不満はないが、もっとよいものを
- 「今お使いの△△よりも優れた◯◯(商品カテゴリー)を知りたくありませんか?」「業界初 ~~を叶えた◯◯(商品カテゴリー)を知りたくありませんか?」
- 競合商品との優位性(差別化)を伝える。「新」や「初」などは興味を引きやすい。
- 圧倒的な実績や人気があることを伝える。
7.今まで満足するものに出合えなかった
- 「~~な方(ターゲットと同じ層)から支持される、世界初(差別化)の◯◯(商品名)が常識を変える」などと、興味と期待を持たせるようにする。
- 色々してきた人は、「新」「初」といった新技術に興味を抱きやすい。レビューでは「いろいろ試してだめだった私でも」とターゲットと同じ立場の人の声を載せる。
- 性能の差が一目で分かる写真や動画、比較表を見せる。
化粧品を購入するお客は、過去にいくつもの化粧品を買ってきている。探偵に浮気調査をお願いする人は、大抵が初めての依頼。どこの層のお客にアプローチするのか。しっかりと見極めておく
一旦まとめ
「どのキャッチコピーが有効か」
プロのセールスコピーライターでも頭を悩ませる課題です。「このターゲットにはこのキャッチコピーがいいだろう」と経験に裏打ちされた直感で選択していきます。ですが、百発百中ではありません。最終的にはテストして効果があったものを採用します。
プロとアマの違いは、ヒット率です。わかりやすく言えば、プロは5個のうち1つにヒットが紛れていますが、アマは10個のうち1つにしかヒットは紛れていません。つまり、腕が上がればヒット率は上がり、テストの回数が少なくて済むのです。
この記事を読んだからといって、百発百中になるわけではありません。しかし、キャッチコピーを考える際の足がかりになり、ヒット率は向上させられます。
この記事を参考にして、ぜひ、成功率を上げてください。
ユーザーに合わせていれば、LPは必然的に複数になる
客層によって適切なキャッチコピーは異なる。
これはつまり、一つの商品でも各客層に合わせて作れば、最低でも4つのキャッチコピー、ひいてはLPが必要になるということです。
4つのLPを作るとなると正直大変ですね。ですが、客層に合わせてLPを作ったほうが間違いなくCVRは向上します。後は、手間と利益との採算性の問題です。
書籍『成約コード』(著 クリス・スミス)にも、こう記されています。
ランディングページやオファーの数をケチってはいけない。7000社以上の企業からベンチマークデータをまとめたHubspotによると、「ランディングページを10~15種類用意している企業は、10種類未満の企業と比べて、コンバージョン率が55%アップ、40種類を超える企業で500%アップしている」からだ。切り口、オファー、アイデア、見込み客マグネットが多いほど、見込み客もコンバージョン率もそれだけ増えるのだ。(p97)
書籍『成約コード』(著 クリス・スミス)
LPが多いということは、それだけユーザーを細かく分類して、各ユーザーに合わせたLPを作っている、ということです。売上が上がるのは当然ですね。
特にリターゲティングでは効果的です。
AタイプのLPを見てCVしなかった人に、もう一度Aタイプを見せるよりも、BタイプのLPを見せたほうがCVします。さらに、BタイプでもCVしなかったユーザーには、CタイプのLPを見せるのです。このようにしてLPを変えていけば、CVはどんどん増えていきます。
切り口やオファーを変えて何度も接触することは、単純接触効果の面から見ても理にかなっています。書籍『#HOOKED 消費者心理学者が明かす「つい、買ってしまった。」』(著 パトリック・ファーガン)では、こんな一文が書かれています。
1980年代にある実験で、被験者に30分のテレビ番組を2本見せた。途中でコマーシャルが入る。1週間後にも同様にテレビを見せてから、出てきたコマーシャルについて様々な質問をした。実は、合計2時間で見たコマーシャルの中には、何度か繰り返されているものがあった。すると、頻度が高い(反復されている)広告は、想起にも購入意欲にもプラスの影響を及ぼしていた。
(中略)
広告を単発ではなくシリーズ化した場合は、また違った結果になっている。シリーズを増やすほど広告への好印象は弱まるものの、負の印象にはならなかった。そして想起と売上は大きく伸びた。シリーズがつづくことで生じる「なじみ」とシリーズの最新版が出ることの「目新しさ」、つまり半服とサプライズの両方があるのが最善というわけだ。(p181)
#HOOKED 消費者心理学者が明かす「つい、買ってしまった。」(著 パトリック・ファーガン)
日本でも、広告の接触回数とその効果について電通九州が検証しています。書籍『売れる広告 7つの法則』(著 電通九州・香月勝行、妹尾武治、分部利紘)からグラフを引用をします。まずは画像をご覧ください。
※引用で出てくる「ロール」とは、商品説明からCTAに至る一つのストーリーを言います。本書に出てくる1から3のロールは、ストーリーの骨子は同じものの、登場人物や演出が異なっています。
3つのロールで構成された番組全体で、200人のモニターがどのような反応を示したのかをグラフ化したのが、128~129ページの図1です。
(中略)
全体のグラフでは見づらいので、「買いたいね」のみを抜き出し、拡大してみましょう(図2)。
「買いたいね」ボタンはロールの最後のCTAで押されることが多いため、「買いたいね」のヤマは基本的に各ロールの最後に表れます。
その高さをロールごとに比べてみると、ロール1が最も低く、ロール2でやや上がり、ロール3では最も跳ね上がる、という時系列に沿って順当に高まっていく推移となっていました。(中略)
これらの結果を見ると、少なくとも「買いたいね」に関しては、繰り返すことで反応が高まるのだと言えます。繰り返しにより商品理解が高まるのかはさておき、この購買意欲に関しては、「繰り返すほどに高まる」というのは確かな事実だ、と考えられるのです。
書籍『売れる広告 7つの法則』(著 電通九州・香月勝行、妹尾武治、分部利紘)
そして面白いことに、2分や3分の短い通販広告においても、繰り返すことが有効だと言えるデータが存在していました。
131ページの図4は、300人のインターネットの調査モニターに全く同じ2分のCMを3回見せ、その反応を調査したもの。具体的には、CMを1回見るごとに欲しくなったかどうかを5段階で評価してもらったものです。これを見ると、繰り返すほどに「とても欲しい」という人が増えていっていることがわかります。
また131ページの図5は、同様に好きか嫌いかの評価。こちらでも同じ様に「とても好き」と評価する人が増えています。(p126~132)
引用にもある通り、登場人物や演出を変えて繰り返し見せるだけで広告効果が高まりました。このデータからも、やはり表現を変えたLPを何度も見せたほうが効果はあると言えます。
複数のパターンを作る簡単かつ効果的な方法は、ファーストビュー(キャッチコピー)の変更です。ファーストビューを見ただけで離脱してしまうユーザーが特に多ければ、やって見る価値はあります。
次に簡単かつ効果的な方法は、レビューの変更です。ファーストビューの直下にレビューがある場合は特に有効です。レビューが変わったことにユーザーが気づきやすいからです。
「LP全体を変えるのは大変で嫌だ」という方は、まずこの2点を変更したLPを複数作ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
「キャッチコピー35の型」をまず提示し、次に「ユーザーの欲求」とそれに合ったキャッチコピーをお伝えしました。扱いやすいように作ったつもりです。キャッチコピーを作る際は、何度も立ち寄ってください。きっとお役に立てると思います。
以下、参考文献
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