「検索結果を見ても似たような記事しか出てこない」
そう思ったことはありませんか?
それもこれも、上位サイトを参考にして記事を書く人が多いからです。
このような状態では、検索ユーザーにいつか飽きられてしまいます。実際、検索エンジンよりも先にSNSで検索する人が増えています。私自身もそうです。
これから必要になるのは、検索ユーザーのニーズを満たしつつ、差別化された記事を作ることです。読者とGoogleから評価され、ブランディングにも寄与します。当然、サイトからの収益も上がりやすくなります。
では、具体的にどうすればいいのか。
今回、記事を差別化する7つの要素についてお伝えします。
差別化する7つの要素を知れば、競合が真似できない、読者を魅了する記事が作れるようになります。Webライティングで差を付けたい方は必見です。
広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。
記事を差別化する7つの要素
差別化を生む要素は7つあります。
- 体験
- 知見
- 集中
- 表現
- アナロジー
- 個性
- SNS
一つずつ解説します。
差別化要素その1 体験
体験を絡めた記事は、必然的に差別化されます。あなたが体験した出来事は、あなたにしか書けないからです。ある意味、最強の参入障壁です。
体験がもたらすのは差別化だけではありません。読者の感情を動かすこともできます。
人の感情は出来事によって動きます。
映画を観て感動するのは、疑似体験しているからです。体験も大量に集めれば統計になりますが、統計になった途端に人は感動しなくなります。
この言葉を裏付けるさまざまな事例があります。
飢餓僕滅の寄付金を集める実験では、飢餓で苦しむ一人の子どもを紹介したほうが、統計を見せるよりも、2倍の寄付金が集まりました。シリア少年の遺体写真がメディアにより報じられると、ヨーロッパ全土で世論が動き始め、難民政策が進められるようになりました。
このように人の感情は、自分や他人の体験によって動きます。そしてその感情は、消費行動にも大きな影響を与えるのです。
人の消費は「欲しい(買いたい)」の気持ちが先にあり、理屈は後付けです。統計や科学的根拠でさえも自己説得するための材料でしかありません。決して、統計データや科学的根拠を見たから欲しくなるわけではないのです。
LPへと繋げるための記事なら、体験は強力な武器になります。体験を伝えてからLPへ繋げていけば、コンバージョン率は高まるでしょう。
差別化要素その2 知見
記事のテーマをそのまま語るのでは芸がありません。
別分野の知見からテーマを語れるようになれば、示唆に富んだ記事になり、差別化が図れます。
たとえば、本サイト『セールスライティング解体新書』の記事群がそれです。本サイトのテーマである「セールスライティング」を、行動経済学や進化心理学の観点から解説しています。
このように自分のいる業界(世界)をそのまま語るのではなく、別分野(世界)の知見を取り入れて記事の内容を深めていくのです。
もう一つ参考例になるのが、書籍『人はなぜ不倫をするのか』(著 亀山 早苗)です。ジェンダー研究、昆虫学、動物行動学、宗教学、心理学、性科学、行動遺伝学、脳科学といった多分野それぞれの不倫観が語られています。一つのテーマをこれだけの角度から切ることができるという好例です。
あなたの記事も、別分野の知見から解説できないかと考えてみてください。
ただし、別分野を学ぶ必要があります。大変ですが、大変だからこそ競合に真似されないのです。
一から勉強している時間がなければ、自分の特技や趣味を活かせないかと考えてみてください。もしかしたら、記事作成に役立つものが見つかるかも知れませんよ。
差別化要素その3 集中
「テーマを絞って深める」のが集中です。
これは記事レベルではなく、サイトレベルで行います。
たとえば、Kindle出版についてのサイトを作るとしましょう。その場合、Kindle出版の表紙の作り方に絞ります。表紙が作れるツールの紹介、各ツールの使い方、表紙によって変動する売上、表紙のテンプレートなど、集中しているからこそ作れる記事があるはずです。
「Kindle出版」という広いテーマを扱っている人たちから、「表紙にそんなエネルギーをかけていられない」と思われたら勝ちです。Kindle表紙に最も詳しいサイトとして確立します。
参考事例を一つ紹介します。
100均商品を検索できるカタログサイト『モノサイズ』です。このサイトの何がすごいかというと、「100円ショップの容器」に絞っている点です。さらに、ユーザーが商品を探しやすいようにあらゆる工夫が施されています。ちょっと変態レベルですよね。
どんな切り口でどこに集中させるかは、サイトの運命を決定づける重要な戦略です。しっかりと考えて決めましょう。
関連記事群:専門サイトの作り方
差別化要素その4 表現
「記事=書く」といった先入観をあなたは持っているかも知れません。しかし、記事は書くものではありません。作るものです。
WordPressのブロックエディターには、さまざまなブロックがあります。画像、カバー、ボタン、カラムなどです。テーマによってはほかにもブロックが付いていますし、ブロック専用のプラグインを導入すればさらに表現は広がります。記事作成における「書く」が担う割合はこれからどんどん縮小していくでしょう。
機能を最大限に使って表現の幅を広げられれば、競合との差別化にもなります。
たとえば、イラストや漫画を使って表現するのもありです。最近は「吹き出し」を取り入れたサイトが多いですよね。また、写真や動画に力を入れているアフィリエイターも増えてきました。
この先、さまざまな表現手段を取り入れる人が増えるでしょう。記事を“書いている”だけでは取り残されてしまいます。Webサイトだからこそできる表現はないかと考えてください。
差別化要素その5 アナロジー
アナロジーとは、A事物とB事物の間に何らかの類似性を見つけることを指します。
私の好きなNHK番組『植物に学ぶ生存戦略』は、アナロジーを用いた作りになっています。植物の生き方を人の生き方に当てはめて解説しているため、植物と人間の共通点が学べます(演出もシュールな様相を呈しており、なかなか面白いです)。
ただし、アナロジーは簡単ではありません。
一定以上の抽象化思考力が求められるからです。
抽象化ができなければ、A事物とB事物が同じ構造だと気づけません。この能力が弱い人には、アナロジーを用いた記事を作るのは難しいでしょう。
アナロジーはほかの差別化とは異なり、自分の頭(思考力)だけで差別化を図る方法です。難しいですが、一生ものの力になります。鍛えておいて損はありません。
アナロジーを頻繁に用いて記事を書いている人がいます。『ラブホの上野さんの相談室』です。引き出しの多さとアナロジーの上手さに感嘆します。おそらく地頭がいいのでしょうね。
ここで一つ課題を出します。
今回紹介した独自性(「体験」「知見」「集中」「表現」「アナロジー」)を何かに喩えてください。
何かに喩えられましたか?
私なら「料理」に喩えます。
「体験=食材」「知見=調味料」「集中=得意料理」「表現=見た目」「アナロジー=調理の腕」といったように。
この喩えを聞いて、一気に理解が進んだと感じませんか?
これがアナロジーの力です。
差別化要素その6 個性
あなたに尖った個性があるのなら、それを前面に出した記事を作れば差別化になります。選ばれた人にしかできない戦略ではありますが、これができれば競合は一切真似できません。
では、個性とは一体どこから来るのか。
それは言葉遣いからです。言い回しや表現に表れます。
Webライティングは、正しい情報を正しい言葉遣いで伝えようとします。正しい情報はいいとして、正しい言葉遣いだと個性は死にます。目指すは「その人らしい」言葉遣いです。
個性が前面に出ている好例は「婚活物語。」です。ちょいちょいバズったりもしているため、読んだことがあるかも知れませんね。
「尖った個性は自分にはない」「自分の個性を前面に出すのは恥ずかしい」という場合はどうしたらいいのか。自分とは別のキャラクターを用意してください。お面を被るともう一人の自分が表れる人っていますよね。それを活かすのです。
キャラクターを使ったブログに「ロースおじさんのお悩み相談室」があります。
人生相談に答えるかたちのブログなのですが、語り口が面白いです。あまりにも面白いので、私は本を購入してしまったぐらいです。(ちなみに本のタイトルは『ロースおじさんのとんかつQ&A その悩み、豚に相談した?』です)
自分の個性は武器になるのか、キャラを使えばいけるのかと考えてみてください。
差別化要素その7 SNS
SNSが得意なら、それを特化させて差別化を図りましょう。
サイトやブログは、SEOからアクセスを集めるのが当たり前だと思われていますが、今はSNSからも集められます。SEOよりもSNSのほうが流入は多いという人もいるぐらいです。
特にYMYL系を扱っている人にとってSNSは光明です。ご存知の通り、GoogleはYMYL系へ神経を尖らせており、簡単には上位表示させてくれません。SNSからアクセスを集められれば、SEOで評価されなくても収益を上げられます。
SNSを活用するメリットはほかにもあります。記事が拡散されやすい点です。
フォロワーはあなたに好意的なため、記事を拡散してもらいやすいのです。拡散されればSEOにも寄与し、結果的に上位表示されやすくなります。「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」ではありませんが、「SEOを射んと欲すれば先ずSNSを射よ」です。
SEOが苦手ならSNSに注力してみてはいかがでしょうか。
AIを使っているうちは、差別化できない
ライター界隈では、ChatGPTをはじめとしたAIを使えば、SEO記事やセールスコピーの制作が高速化すると注目を集めています。
私の所感としては、ChatGPTのほか様々なAIを試しましたが、SEO記事にもセールスコピーにも使えません。もしあなたが使っているなら、将来、後悔することになるかもしれません。
その理由をお話しします。
SEO効果があるどころか、圏外に飛ばされる
SEOを10年以上してきた人なら、SEO対策の流行を過去何回も見てきたかと思います。カテゴリー登録は効果がある、長文は効果があると。
SEO対策サービスが出現するものの、その都度Googleが対策を打つため、ほどなく終息していきます。流行ったSEO対策の効果がゼロになる分にはまだいいです。最悪の場合、ペナルティを受けて圏外に飛ばされてしまいます。
ユーザーにとって有益な情報を提供することを使命とするGoogleが、AIが出力した記事を上位に表示させるとは思えません。評価しない、もしくは、ペナルティを与えるでしょう。というか、もう対策をし始めています。海外では、圏外に飛ばされている例も出てきています。加えて、Google自体がAIで疑問に答えるサービス「Google Bard(グーグルバード)」をリリースしました。
ChatGPTをはじめとしたAIが出力した記事をそのままブログなどに載せる意味は、ほとんどありません。それだったら、ユーザーが無料のAIで質問すればいいだけの話です。それに、みながAIを使って記事を書けば、似たような記事がネット上に量産されます。ゴミをばら撒いてるようなものです。
これからの記事は、正確な情報に加えて、上述した差別化が価値になります。
AIを活用するなら、リサーチや構成作りといったアシスタント・サポートまでですね。骨組みのヒントをもらい、肉付けは自分がするといった感じです。
AIにコピーを書かせるセールスライターはいらない
セールスライターを育成する立場の、ある方(2名)はこう言っていました。「ChatGPTでは、セールスコピーの執筆はまだできない。リサーチには使える」と。私も同意見です。
反対に、ChatGPTを使ったセールスコピーの書き方を有料で教えている企業や人もいます。商魂たくましい限りですね。
なぜChatGPTは、セールスコピーの執筆に使えないのか。理由は2つあります。一つは、機械が書いた感が拭えないから。もう一つは、根幹部分は人間が考えなくてはいけないから。
セールスコピー は、どんな立場でどんなお客にどのような切り口で商品を勧めるのかを考えるのが仕事です。セールスコピー制作の8割がこのアイディア出しと言っても過言ではありません。
よいアイディアを出すために、競合や市場のリサーチをします。ChatGPTはこのリサーチの効率化には役立ちます。ネット上にある情報を高速で吸収し、質問に答えてくれますからね。ですが、リサーチから得られた情報をどう料理するかは、人間の仕事です。
ChatGPTでセールスコピーが書けると喜んでいるセールスライターがいるなら、今までどんなアイディアを出していたのかと疑問に思います。何も考えずに、型にはまったコピーだけを書いてきたのでしょう。それなら確かに、ChatGPTでも代用ができます。
加えて言えば、リサーチはネットだけでしているわけではありません。書籍やインタビューといった形の収集もあります。これはChatGPTではできません。書籍にはアクセスできませんからね。
先日、制作したLPは、書籍を20冊購入してリサーチをしました。今回は特に時間がかかりましたが、通常でも大抵5冊は購入しています。つまり、ChatGPTは、「ネット上にある情報のリサーチには使える」と限定的なのです。とはいえ、それでも数時間は節約できますけどね。
記事もセールスコピーも、AIができないことをする
これからは、「属人性」がキーワードになります。あなたらしいキャラ、あなただけの考え方や事例が、AIや競合との差別化になります。
今までは属人性がなくても、正確で分かりやすければ、SEOでも評価されていました。しかし、正確で分かりやすい情報なら、これからはAIに聞けば済みます。AIの正確性は高まる一方ですから。属人性でしか活路はないのです。
セールスライティングも同じです。
今までは、差別化が図れる切り口でベネフィットを語れていれば成果が出ました。これからは、「誰が売っているのか」が重要になります。属人性の高い記事が評価を得るようになれば、必然的にサイト(ブログ)も属人性の強いメディアになります。
そうなれば、記事を書いている人が売っている、勧めている商品なら買おうという流れになってくるはずです。「誰から買うのか」の時代に入っていきます。
競合の上位互換の記事を書いていてもダメ
AIでなくても、人(競合)が書いた記事でも同じです。
差別化せずに、ただただ検索結果10位以内の記事を調べて、上位互換の記事を書くだけではダメです。
仮にそのやり方で上位を取れたとしても、競合も同じようにあなたの記事を参考にして上位互換の記事を書いてきます。差別化しない限り、このイタチごっこは続くのです。
私が書いた記事ではありませんが、私の意見を補強するためご紹介します。
有名ブロガー「検索上位10記事を読み込み、上位互換の記事を書けば勝てる」←完全に間違っている理由を解説します。
まとめ
記事を差別化する7つの要素について解説しました。
この7つは組み合わせて使うことも可能です。たとえば、「集中」と「表現」を組み合わせるといったように。どの組み合わせができるのか検討してみてください。
追伸
今回挙げた差別化要素7つの内、2つに関連する教材があります。
一つは、「体験」を最大限に活かす教材『事例ライティング』です。
体験(事例)を活用した9つのライティングの型を教えています。体験を前に出したい人には打ってつけです。
もう一つは、アナロジー思考力を鍛えられる教材『ジーニアスノート』です。ノートを使ったアナロジー思考力を鍛える方法を教えています。「アナロジー」の力を強化したい人にお勧めです。
この2つの教材は相性が抜群です。できれば、2つセットで購入していただきたいところです。
事例ライティングの型の一つに、A事物とB事物を結びつけるものがあります。これはまさにアナロジーを使った作り方です。アナロジー思考力があればこの型を最大限活かせますよ。
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