コピーライティングの真髄は「変化を見せて、変化を促す」

映画を見たり、小説を読んだりして心が動かされた経験、あなたもあるはずです。
ではなぜ、心が動かされるのでしょう。それは、作品から「変化」を感じ取るからです。

変化とは、主人公の精神的な成長だったり、主人公を取り巻く人や状況の移り変わりだったりします。勇気のなかった主人公が勇気を出す、不幸な生い立ちから幸せな家庭を築く。こうした変化に心を動かされるのです。

セールスコピー も同じです。
今の生活が好転(変化)した後を見せられることで、お客は動機付けされ、消費行動をとるのです。行動にまで影響を与えるわけですから、セールスコピー は映画や小説よりも高度なことをしているとも言えますね。

広告コピー、セールスコピー、イメージコピー、どんなコピーであろうと、その目的は読んだ人に何かしらの変化を与えるためです。そして、その変化を与えるためには、変化を見せる必要があるのです。これは「伝える」ことの「真髄」だと私は思っています。

そこで今回、変化をより強力にする3つのコツについて解説します。

この記事を書いた人
セールスコピーライター
深井 貴明

広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。

変化をより強力にする3つのコツ

1.変化の度合いを大きくする

変化が大きいほど、人は心を動かします。ギャップと言い換えてもいいです。
主人公の成長が小さいよりも、大きくいほうが感動します。

漫画『ダイの大冒険』に出てくる魔法使いポップは、主人公のダイよりも成長します。そのためか、主人公よりも人気が高いです。ポップは当初、仲間を見捨てて逃げ出してしまうような軟弱者でした。それがいつしか、仲間を命がけで守る男に成長し、主人公から最も信頼される存在となります。ポップの成長に心を打たれた人は多いはず。

映画の『クレヨンしんちゃん』に出てくる野原ひろし、『ドラえもん』に出てくるジャイアンも観客の心を動かす存在です。
テレビアニメの野原ひろしは凡庸に描かれていますが、これが映画になると男を見せます。ジャイアンも、テレビアニメではただの暴君ですが、映画になると仲間想いになります。テレビと映画とでは大きくキャラが変わるため、より感動を覚えるわけです。

セールスコピーでも同じです。
悩みが深いほど、悩みが解決した生活とのギャップが生まれ、購入意欲を喚起させられます。いかに変化のギャップを作れるか。これがお客の心と行動を変化させる肝なのです。
関連記事:『ドラえもん』に学ぶ、ストーリーに欠かせない要素

2.類似性があるほど変化を実感できる

人は、自分と似ている者に共感を寄せるものです。
分かりやすい例が、子ども向けのアニメです。主人公は少年少女(男子向けなら少年、女子向けなら少女)に設定されています。これが、子どもたちと年齢の離れた主人公のアニメだったら、あまり関心を引きません。直感的に「自分向けのアニメじゃない」と感じるからでしょう。

セールスコピー でも同じです。最も重要になるのは、欲求の源である悩みや願望です。ここに年齢や家族構成、収入、地域、出身学校といった要素が組み合わさり、共感が増します。

とりわけ、性別と年齢が大きな要素になります。欲求と強く結びついていることもありますが、類似性を強く感じる要素でもあるからです。先ほどお話した、少年少女が主人公のほうが子どもの関心を引きやすいのと同じです。

もしレビューを載せるなら、ターゲットと同じ悩みを持ち、同性で年齢が近いほうが好ましいです。自分と重ねながら読んでくれます。
関連記事:セールスライティングに使えるストーリー3つの型&事例ー主人公の要素

3.変化には真実味が必要

小説や映画では、主人公が悩み決断し行動していく一部始終が映し出されます。観客はそれを目にしているため、主人公の変化を自然と受け入れていきます。ただし、その分尺が必要です。

一方、セールスコピー では、長い尺のストーリーは用意できません。短めのストーリーを埋め込んだりはできますが、小説と比べれば圧倒的に尺が短いです。

セールスコピー は、変化をストーリーで見せられない分、読者は「本当かよ」といった疑問や不信感が残ります。これらを払拭するための情報を用意しなくてはいけません。具体的には、販売実績、科学的根拠、アンケート調査、出版、メディア掲載、権威者からの推薦などです。

「本当らしいぞ」と思わせられれば、欲求を満たす手段として商品を選んでくれます。つまり、どれだけ疑問や不信感を払拭できるかが、セールスコピーでは重要なのです。
関連記事:【悪用厳禁】『権威性の法則』で人を従わせるための8大要素
関連記事:『社会的証明の原理(バンドワゴン効果)』が働く5大要素と活用法

まとめ

「相手に変化を与えることが情報の目的である。そのためには変化を見せる必要がある」
これが何かを伝える真髄だと私は考えています。

セールスコピーは、「どんな悩みを解決させ、どんな生活が送れるようになるのか」
この変化を伝え、相手に心と行動を変化させるのが使命です。

使命を果たすためには、諸条件や技術は必要ですが、「変化を見せて、変化を促す」を腹に落としていることが何よりも大切なのです。

ぜひ、変化を意識したセールスコピーを書いてください。

関連記事:商品を売るためのストーリーテリングを徹底解説

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この記事を書いた人

深井貴明のアバター 深井貴明 セールスコピーライター

広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社のコピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。

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