商品を売るためのストーリーテリングを徹底解説

セールスライティングを学んでいくと、ストーリーテリングに必ず行き着きます。
そこから、ストーリーテリングを深掘りする人としない人に分かれます。どちらを選ぶかが、その後のライティング能力を決定付けると言っても過言ではありません。

浅く掘っただけの人は、ストーリテリングを「小技の一つ」として認識します。一方、深く掘った人は、「セールスライティングの根幹」だと認識します。

本記事では、商品を売るためのストーリーテリングについて解説しますが、本記事で一番お伝えしたいのは、ストーリーの「書き方」ではなく「認識」です。

「セールスライティングそのものが一つのストーリーである」
そう捉えられるようになったら、商品を売るためのストーリーが書けるようになりますし、ひいては、セールスライティングの実力も向上します。

本記事を読めば、この意味がきっと分かると思います。
さぁ、新しい認識を受け入れる心の準備はいいですか。

では出発しましょう。
ストーリーテリングを理解する旅へ。

この記事を書いた人
セールスコピーライター
深井 貴明

広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。

目次

ストーリーの王道を押さえる

「ストーリーテリング」と聞いて、『神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)』を思い浮かべたかもしれませんね。『スターウォーズ』『ロード・オブ・ザ・リング』『ハリー・ポッター」『マトリックス』も、神話の法則に基づいて作られています。

『神話の法則』は、全12パートで成り立っています。

  • 平凡な日常(キャラクターの日常)
  • 非日常への誘い(日常から非日常へのきっかけ)
  • 非日常の拒絶(非日常に対する葛藤)
  • 師との出会い(葛藤を克服し非日常への移行)
  • 事件の発端(非日常の本格的な到来)
  • 試練、仲間、宿敵との出会い(新しい世界での新しい経験)
  • ストーリーの深淵(物語の大テーマ)
  • 最大のチャレンジ(試練の克服)
  • 勝利(勝利の末に得た結果)
  • 帰路(日常の奪還)
  • 復活(進化と再生)
  • 帰路(エンディング)

詳しく知りたい方は、『面白い物語の法則』(著 クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ)の上下巻をお求めください。

セールスライティングで用いる際にも、12パートすべてを書くのかと言えば、答えはNoです。
『神話の法則』は、あくまでも商業作品として「売れるストーリー」を作るためのものであって、商品を「売るためのストーリー」ではないからです。ですが、基本となる原型のため、ぜひとも押さえておきたい知識です。

主人公が問題を解決して願望を叶えるまでが一つのストーリー

『神話の法則』をセールスライティングに応用する際に、重要になる要素が7つあります。
ストーリーにおいて重要な役割を果たす「主人公」「メンター」「悪役」。ストーリーの骨子となる「非日常」「勝利」「試練」。そして「力」です。

アナロジーを用いて、セールスライティングに落とし込んでみましょう。

  • 主人公=お客
  • メンター=あなた
  • 悪役=問題の原因
  • 非日常=問題
  • 勝利=ベネフィット
  • 試練=料金
  • 力=商品

これはまさに、人が商品を購入して問題解決(願望実現)するまでの流れと同じです。ストーリーにして表してみましょう。

ある日のこと、主人公(お客)は◯◯という問題(願望)を抱えた。
どうしたら問題を解決できるのか分からずにいる。そんな時、同じ問題を持つ者を幾人も導いてきた高名なメンター(あなた)と出会う。

メンターは言う。「Aという問題を解決したければ、私が授ける力(商品)を受け取りなさい。悪役(問題の原因)に打ち勝つことができ、新しい生活(ベネフィット)を手に入れられるだろう。ただし、力を授けるには試練(料金)がある。その試練を突破できなければ力は授けられん」と。

主人公はためらった。果たして自分なんかに試練を突破できるのかと。
そんな主人公を見てメンターは言う。「実は、わしも昔はお前と同じ悩みを抱えていた。しかし勇気を振り絞り試練を突破して力を手にし、そして世界を変えたのだ」と。

主人公は意を決し、メンターから出された試練に挑むことにした。試練を見事突破した主人公はついに力を手にする。そして、Aという問題の原因である悪人を撃退し、新しい日常を手に入れた。

どうですか。
人が商品を買い問題解決する流れと同じではありませんか。

ではこれから、各要素についてさらに深掘りします。

セールスライティングに応用できる
ストーリーテリング7つの要素

1.主人公(お客)の旅立ち

ストーリーは、主人公(お客)が問題(or願望)を抱えた瞬間から始まります。
平穏に暮らしていた主人公が、ある時ある場所で問題が発生(または自覚)し、ストレスを抱えます。問題から逃げるか、それとも挑むのか。主人公は葛藤の末、問題に挑むことを決意します。主人公の旅立ちです。

これは、商業作品のストーリーだけではなく、人が悩みを解決するプロセスと全く同じです。

  • 「抜け毛が増えてきた気がする。まぁいいか」(問題からの逃避)
  • 「頭が薄くなってきたかな? 大丈夫。まだ30代前半だし」(問題からの逃避)
  • 「友人から禿げているって言われた。これは深刻だ。なんとかしなくては」(問題への挑戦)

このように問題から逃げることもあれば、問題が大きくなってから挑むこともあります。

そしてメンターは、主人公が葛藤の末、問題への挑戦を決意したときに現れます。セールスライティングに置き換えれば、問題を自覚し、解決に向けて動き出している人に向けて書けばいいのです。

もし、「問題への逃避」段階の人に向けて商品を売るとしたらどうするのか。危険が迫っていることを知らせるか、心の奥底にある願望に気づかせるのです。これはセールスライティングよりも、その一歩手前の記事LPでするのが好ましいでしょう。

2.非日常(問題)を理解する

「問題」とは『神話の法則』で言うところの「非日常」にあたります(話の便宜上、「非日常」ではなく「問題」を用いて解説します)。

主人公が抱えた問題(or願望)を解決へと導くのがメンターです。
そのためには、主人公が抱えた問題を主人公よりも理解していなくてはいけません。ここができるかどうかが、売れるセールコピーが書けるかどうかの分かれ道です。

悩み理解するために誰もがリサーチを行います。しかし、いくらリサーチをしても手に入る情報は表層的なものばかりです。真の奥底にある問題を知ることはできません。

というのは、人は問題の根幹を言語化しない(できない)からです。そこまで深く内省しないからです。
たとえば、「太っていることが悩み(問題)」と言う男性がいたとしましょう。私に言わせれば、これは表面的な悩みであり、真の悩みではありません。太っていることによってどんな不都合があるのか、どんな嫌な思いをしているのか、ここに真の悩みがあります。

太っていることで「異性からモテなくなる」と思っているのかもしれません。であれば、真の悩みは「モテないこと」です。さらに突き詰めれば、「彼女がほしい」「モテなければ男ではない」といった思いがあるのかもしれません。また違った言い方をすれば、この男性は「痩せさえすれば自分はモテるようになる」と信じているのです。

このように、言語化される悩みの奥には真の悩みがあります。また、真の悩みの背景には、信念(信じていること)があるのです。これは読解力と想像力を働かせなければ見えてきません。

なぜ、真の問題や信念を理解する必要があるかと言えば、言葉選びが変わってくるからです。
真の悩みが「本当はモテたい」なら、「異性からモテます」といったメッセージを匂わせます。レビューもそういった声を優先的に持ってきます。こうした言葉選びは、真の悩みを理解していなければできません。
※真の悩みは、あまりストレートに言うと下品になることが多いため、匂わす程度がいいです。

また、主人公が持つ信念に理解を示せば、一気に心の距離が縮まります。
たとえば、主人公が「ダイエットは運動よりも食事が大事」という信念を持っていたとしましょう。「ダイエットは食事が8割です。カロリー制限ができない人にさらに苦痛を伴う運動なんて、とてもできないでしょう。運動はカロリー制限からの逃げです」とメッセージを発します。主人公は「俺と同じ考えだわ!」となり、信頼を寄せてくれるのです。

3.勝利(ベネフィット)を見せる

商業作品は、問題を抱える主人公の信念の変化(成長)を描きます。
「同じ状況でも同じ解釈をしない」ことで表現される場合が多いです。

たとえば、映画『ホーム・アローン』。
主人公のケビンは、家族や親戚をうざったく感じ、悪態をつきます。旅行の前日、ケビンは「家族なんていらない」と願います。翌日、目の前から家族が消えてケビンは大喜びです。しかし、次第に寂しさを覚えていきます。孤独を知る隣人と出会い、また泥棒との格闘を経て、家族の大切さを自覚したケビン。家族が戻り、以前よりも愛おしむようになります。

家族が消える前、家族が戻ってきた後、状況は何も変わっていません。変わっているのは主人公の心です。こういった心の変化(成長)が、商業作品のストーリーでは必ず描かれます。

セールスライティンでは、心の変化ではなく生活の変化を主に描きます(心の変化を描く場合、生活の変化に伴って心も変化したように表現します)。ここが商業作品として「売れるストーリー」と、商品を「売るためのストーリー」の決定的な違いです。生活の変化とは、別言すれば「ベネフィット」です。

書籍『ロングセラーを呼ぶマーケティング』(著 ハリー・A・ヒル)には、「ビフォー・アフター・アフター」という概念が出てきます。前半のアフターをメリット、後半のアフターをベネフィットと捉えると分かりやすいでしょう。書籍の一部を紹介します。

一般的な「ビフォー・アフター」の考え方であれば、「家をきれいにしたい⇒家がきれいになった」というところで終わりでしょう。これであれば、ある程度誰でも想定ができます。
しかし、私たちが気付かされた「ビフォー・アフター・アフター」とは、「家がきれいになっただけではなく、本当は手伝ってほしかったが、今まで家事をしてくれなかった夫が家事を手伝うようになり、結果として夫婦関係が以前よりも良好になった」というものでした。(p105)
(中略)
例えば、皆さんがダイエット食品の宣伝担当者だとします。このとき、まず強調するキャッチフレーズは「これを食べれば○キロ痩せます」という「効果」だと思います。
確かに、ダイエット食品を購入する人には、その商品を通して「痩せる」ということを具体的に伝えなければ、その商品に対して見向きもしてもらえないかもしれません。
しかし、「効果」を強調してみせただけでは、お客さまの心をつかむことはできないのです。商品の宣伝をする場合は、より深く、より具体的に表現されなければならないからです。
つまり、「痩せた」だけでなく「その後こんな素敵なことがありました」という後半のアフターを伝えて初めて、お客さまの共感を呼び、「この商品なら私も……」と豊かなストーリーをお客様自身に描いてもらうことができるのです。(p166-167) 

『ロングセラーを呼ぶマーケティング』(著 ハリー・A・ヒル)

勝利(ベネフィット)を伝えることは大切ですが、主人公が望んでいるものでなくてはいけません。望んでいない勝利を見せられても、購入意欲は湧きませんからね。

主人公が望む勝利を見せるには、何を望んでいるかを知る必要があります。

以下の質問に答えると見えてきます。

  • どんな生活や時間を過ごしたいのか
  • どんな人間になりたいのか。
  • 周りの人間からどう見られたいのか。

特に3番目の質問は、核心に迫れます。
生存以外の欲望は、「他人の目」から発露していることが多いからです。

車や服といった財力を示すもの、学歴や職歴といった知力を示すもの、ワインやクラッシックといった教養を示すもの。これらを欲するのは、広い意味で「人からよく見られたい」といった欲望から来ています。

人間は社会性を育むことで生存してきた生き物です。他の生物よりも「他人の目」を意識して生きてきました。私的に言えば、人を感動させるストーリーとは「自分の居場所を見つける」「前よりもいい居場所を手に入れる」までを描いたものです。

  • 悪を倒して帰還するヒーロー(同性より上)
  • 苦難を乗り越えて大成功を収める(同性より上)
  • 悪を倒して恋人とキスをするヒーロー(異性を入手)
  • 実は貴族の生まれだったヒロイン(同性より上)
  • 上位男子から求婚されるヒロイン(上位男性の入手)

どれも周りから尊敬や羨望を集められる居場所を手に入れる話です。そしてその根底には、男性が欲する「ほかの男よりも高い地位へ」「たくさんの異性と混じり合いたい」、女性が欲する「優秀な子を授かりたい」「子を守る資源がほしい」があります。進化心理学的に見ても、人の深い欲求に根ざしています。

4.メンター(あなた)は実力が命

商業作品のストーリーとは異なり、ビジネス現場では、主人公はメンターを選ぶことができます。複数人のメンター(競合他社)の中から自分が選ばれるためには、実力が伴っていなければなりません。

ジャンプ漫画でも、主人公を導くメンターは実力者です。
『ドラゴンボール』の主人公 孫悟空のメンターは、亀仙人、カリン様、神様、界王様、ウイルと、ステージに合わせてメンターは入れ替わりますが、確かな実力を備えています。『鬼滅の刃』の主人公 竈門炭治郎の師匠は、元柱の鱗滝左近次です。『HUNTER×HUNTER』の主人公 ゴンとキルアは、ウイング、ビスケットといった師匠を持ちますが、二人とも実力者です。『ダイの大冒険』では、主人公ダイの師匠は元勇者アバンです。

このように、プレイヤーとして一流、もしくは一流だった者がメンターとなります。「名選手、名監督にあらず」という言葉がありますが、少なからずストーリーテリングでは当てはまりません。

セールスライティングでも同様です。
ここで言う実力とは、導入や売上実績、メディア歴、社歴、受賞歴といった実績や権威です。言うまでもありませんが、実力を示すものがなければ、商品を売るのは難しくなります。

贅沢を言えば、「私もあなた(主人公)と同じだった」というストーリーもほしいですね。それも、一発逆転のストーリーを。人は誰しも、自分と同じ悩みを抱えていた人へ親近感を寄せるものです。悩みを克服した経験があり、実力も備わっているとなれば、お客はあなたの言葉を信じるでしょう。

書籍『売れるコピーライティング単語帳』(著 神田昌典・依田順一)にもこう記されています。

一発逆転ストーリー、すなわち「顧客と同じ問題を抱え、克服したという体験」を、売り手が歩んできたならば、自然の帰結としてーーー
1.同じ問題を抱えた先輩(メンター)として、顧客に対して声かけができる。
2.顧客の失敗は、自分も通ってきた道だし、
3.敵を知っているから、効果的な戦い方を指南できるし、
4.自分の失敗や恥ずかしい秘密を打ち明け、相手に安心感を提供できるし、
5.自分の家族や友人の噂話を共有し、相手に安心感を提供できるし、
6.熟達者として、専門的用語を使った会話を日常的に交わしているし、
7.当然、業界内で一目置かれる存在になっているのだ。

このように一発逆転ストーリーを発掘し、コピーの中で、さらりと触れることにより、売り手と買い手の距離が近くなり、売り手を買い手の、メンター的な立ち入りに据えることができるのだ。

このメンター的な立ち位置を確保するのは、売上をあげるうえで、決定的だ。(p71-72)

『売れるコピーライティング単語帳』(著 神田昌典・依田順一)

5.試練(料金)を与える

メンターは、必ずと言っていいほど試練(試験や課題)を与えます。
ドラゴンボールなら、「ピチピチギャルを連れてくること」(亀仙人)、「ギャグで笑わせること」(界王様)といったものです。『鬼滅の刃』なら、夜明けまでに山頂から麓まで下山する試験が出されます。『HUNTER×HUNTER』も、ハンター試験をクリアできなければ、メンターから念能力について教わることができません。

このようにメンターは必ず主人公に試練を与えます。試練を突破できた者だけが強敵に立ち向かえる力(能力や技)を手にするのです。『神話の法則』でも、力を与えるのはメンターの役割となっています。

セールスライティングで言うところの試練と力とは、「料金」と「商品」です。
この試練(料金)を越えられなければ、主人公(お客)は力(商品)を手に入れられません。

料金という名の試練を出せるのは、メンターが実力者だからこそできることです。もし実力の伴わないメンターだったら、誰も試練に挑まないでしょう。

とはいえ、起業したての頃は実力(権威や実績)はほとんどありません。
そんな時はどうすればいいのか。お金を払ってでも実績を集めるのです。具体的には、無料で商品を配ったり、サービスを提供したりして、レビューやポートフォリオを増やします。実績をある程度積んだら、それも元種にして、プッシュ型営業を仕掛けます。これはフリーのライターやデザイナー、イラストレーターたちが実践している正攻法な戦略です。

こうして成果を出していき、徐々にプル型営業に切り替えていきます。次第に向こうからやってくるようになるでしょう。

6.魅力的な力(商品)の存在を示す

先述しましたが、試験を乗り越えた主人公にメンターは力を授けます。この力がどれだけ魅力的かどうかがストーリーの面白さを左右します。ジャンプ漫画の例を見てみましょう。

  • ドラゴンボールなら、「気」を使った技の数々。
  • 鬼滅の刃なら、「◯◯の呼吸」から発生する技の数々。
  • HUNTER×HUNTERなら、「念能力」から発生する技の数々。
  • NARUTOなら、「五大性質変化」から発生する技の数々。
  • JOJOなら、「スタンド」から発生する技の数々。

どれも魅力的なものばかりですね。
では、ビジネスで言う「力」とは何か。それは差別化です。競合商品にはないものを考えて生み出し、お客を惹きつけます。競合と同じようなことをしても見向きもされません。

ジャンプ漫画で考えてみてください。
もし、新連載の漫画に「気」「◯◯の呼吸」「念能力」「五大性質変化」「スタンド」と類似した能力が描かれていたらどうでしょう。「パクリやん」となり、早々に打ち切りになるでしょう(というか、持ち込みの段階で蹴られるはずです)。

漫画家は、過去の作品に登場した能力とかぶらないよう、新しい能力の概念を考えているのです。

7.共通の悪役(問題の原因)を作る

ストーリーには、悪役は欠かせません。
セールスライティングにおいての悪役とは「問題の原因」です。

悪役は「自分の意志」の外にあるものにします。間違っても、「自分自身」または「自分の意思や信念」を悪役にしてはいけません。

たとえば、「ダイエットが続かないのは自分が怠惰だからだ」では、悪役は自分自身になってしまいます。そうではなく、「年齢を重ねると痩せづらくなります」と伝え、自身の意思の外に原因を置くのです。こうした態度を取ることで、主人公とメンターは共通の敵を持つことになり、親近感と結束が強まります。

セールスライティングにおいて、主人公はかなり無責任な存在だと思って扱ってください。「悪いのは俺じゃない。悪いのは全部あいつのせい」といったスタンスです。そしてメンターは「その通り、悪いのは全部あいつじゃ」と同調します。少しでも、「お主にも原因が……」などと言えば、「俺が悪いって言うの? じゃいい。ほかに行く」となってしまいます。

まとめ

以上が「商品を売るためのストーリーテリング」です。
こうして見れば、「セールスライティング=ストーリー」ということがお分かりになったかと思います。

お客は主人公、売り手であるあなたはメンター、この認識をしっかりと持ってセールスライティングに挑むのです。今までとは異なった風景が見えてくるはずです。

劇的に売上を増やす
ストーリーを手に入れたい」
という決意ある者だけが
この剣を抜くがよい


ストーリーの型を
3つ授けよう

以下、参考文献

『面白い物語の法則』(著 クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ)
『ストーリーブランド戦略』(著 ドナルド・ミラー)
『驚異のストーリープレゼン』(著 カーマイン・ガロ)
『作家の旅』(著 ライターズ・ジャーニー)
『脳が読みたくなるストーリーの書き方』(著 リサ・クロン)
『ロングセラーを呼ぶマーケティング』(著 ハリー・A・ヒル)
『売れるコピーライティング単語帳』(著 神田昌典・依田順一)
アナロジー思考力を鍛えるノート術』(著 深井 貴明)

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この記事を書いた人

深井貴明のアバター 深井貴明 セールスコピーライター

広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社のコピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。

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