記事LPに必要な要素と4つの型(テンプレート)を紹介

潜在層にアプローチできるとして注目を集めているのが記事LPです。記事LPとは、Webメディアの記事のように見せて、売りたい商品を勧めて販売LPへと誘導するLPのことです。

記事LPでは強い売り込みはしません。ヘタに売り込めば、記事っぽさが失われてしまうからです。あくまでも、記事を装って販売LPへと誘導するのが肝要です。

なぜ、販売LPへ直接アクセスを流さず、わざわざワンクッション(記事LP)を挟むのか。それは、記事LPで興味関心を高めた分だけ、CVに至るユーザーの数が増えるからです。

まさに「急がば回れ」。
一見遠回りに見えるやり方ですが、結果的に大きな成果に繋がるのです。

今回は、そんな記事LPの作り方について解説します。

この記事を書いた人
セールスコピーライター
深井 貴明

広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。

目次

記事LPに必要な要素

記事LPを作るに当たり、最も大切なことは何だと思いますか?
それは「本物の記事のように見せること」です。

そこで、押さえておきたい要素が2つあります。

1.Webメディア風のデザインにする
2.専門家や経験者に執筆してもらう
3.広告文→記事LP→販売LPは、一気通貫にする

一つずつ説明します。

1.Webメディア風のデザインにする

人は情報の価値を「掲載場所」で判断します。
同じチラシでも、リゾートホテルの会報誌に同封されたものか、新聞折込にされたものかによって、読者の受け取り方は異なります。前者のほうが商品イメージは高くなります。これは何も情報に限った話ではありません。

こんな例もあります。
1970年代、イタリアの宝石商ジェームス・アセールは、黒真珠を市場に売り込もうとしたものの、全く売れずに苦戦していました。そこで、旧友の宝石商ハリー・ウィンストンに相談します。ハリー・ウィンストンは、ニューヨークの高級店に黒真珠を置き、強気の値段で売り出したのです。すると、ニューヨークのセレブたちの目に留まり、流行るようになりました。

ニューヨークの高級店に置かれたことにより、黒真珠は「高級な宝石」と認識され、売れるようになったのです。どこに置くか、どこに載せるかがいかに大切か、お分かりいただけたでしょうか。

記事LPを作るのなら、メディア作りからしなくてはいけません。
とはいえ、本当にメディアを運営する必要はありません。あくまでも、Webメディア風なデザインを施したページにすればいいのです。

参考にしてほしいのは、あなたがいる業界のWebメディアです。
美容系なら「美容系 Webメディア」、スポーツ系なら「スポーツ系 Webメディア」と検索すれば出てきます。これらのWebメディアのデザインを参考にして、記事LPのデザインを考えていきます。

また、メディア名も合わせて考えておく必要があります。ドメインは、現行のWebサイトのものを使ってもいいのですが、よりメディア色を強めたいなら、新規ドメインでWebメディアを作ってもいいでしょう。。

参考Webメディアを載せておきます。

東洋経済
マイナビ
現代ビジネス
All About
プレジデント・オンライン

共通項は、ロゴヘッダーの横か下にメニューバー。2カラム。記事の本題に入る前に執筆者の紹介。

2.専門家や経験者に執筆してもらう

Webメディアの読者は、専門家による意見を期待しています。その期待を満たすため、大抵のWebメディアでは、執筆者の顔写真と名前、肩書きを載せています。記事LPもその体裁は守ったほうがいいでしょう。

では、社内の人間では駄目なのかと言えば、そんなことはありません。何かしらの資格や肩書きを有していれば、問題ありません。

また、記事LPの中には、専門性を必要としない型もあります。体験記(レポート)です。商品を実際に試して経過と結果を記事にします。

以下では、実際にどんな構成があるのかをお伝えします。

3.広告文→記事LP→販売LPは、一気通貫にする

記事LPは、記事LP単体で考えてはいけません。
記事LPは、広告と販売LPとの間をつなぐ記事のため、テーマが一貫しておく必要があります。

◯◯成分をテーマにするなら、広告文「今さら聞けない◯◯成分の効果」→記事LP「◯◯成分が車にいい3つの理由」→販売LP「◯◯成分が通常の3倍」とします。

読者の関心は、ファーストコンタクトの広告から◯◯成分なため、記事LPも販売LPも◯◯成分を前面に出したものにします。

記事LP 4つの型(テンプレート)

記事LPの型(テンプレート)は大きく分けて3つです。

  • 型1 専門家による見解
  • 型2 商品を使ってみた
  • 型3 専門家への相談
  • 型4 一般論から具体論へ

一つずつ説明します。

記事LPの型1
専門家による見解


記事LPの王道はこの型になります。

具体的な構成は以下です。

読者が抱える問題や悩み
問題の原因とその根拠
お手軽な解決策
お金を使うメリット
商品を選ぶポイント
商品の紹介(販売LPへ)
記事のまとめ

では、各セクションの説明をします。

読者が抱える問題や悩み

今読者が抱えている問題や悩みについて書きます。

たとえば、「貯蓄が少なくて老後が心配だ。今からどんな生活を送ればいいのか……」と。基本的には、販売LPで使われる問題提起のやり方と同じです。

分野によっては、社会環境(情勢)から入っても構いません。たとえば、「近年、自己破産者の高齢化が進んでいます。実に、自己破産者の25%が60歳以上です(2022年時点)」と。

問題の原因とその根拠

なぜこのような問題が起きるのか、その原因について説明します。その際、できる限り、科学的根拠やデータなどを持ち出すようにしてください。説得力が増し、より記事っぽくなります。

お手軽な解決策

通常の販売LPならここで商品を登場させるところですが、記事LPは違います。まずは、商品などを買わずにできる、お手軽な解決策を提示します。無料でできることや、身近なものでできることなどがそうです。

たとえば、健康維持にビタミンCが有効なら、ビタミンCが豊富な食べ物を紹介する、といった具合に。

お手軽な解決策を伝えることにより、記事への信頼感が高まります。また、この先で商品紹介をしますが、売り込み臭もだいぶ軽減されます。

セールスの世界では、売り手の利益にならないことを伝えるとお客から信頼される、と言われています。お手軽な解決策を伝える行為はまさにそれに当たるのです。

記事LPの「記事らしさ」は、このセクションにかかっていると言っても過言でありません。ここがなければ、通常の販売LPになってしまいます。

お金を使うメリット

お手軽な解決策には限界がつきものです。時間がかかったり、効果が薄かったり、手間がかかったり。それらをしっかりと伝え、お金を使う(商品を買う)メリットを伝えます。

たとえば、ビタミンCを摂るために果物を買っていてはお金やカロリーがかさんでしまう、といったデメリットがあるとしましょう。こうしたデメリットを回避したければサプリメントがお勧めです、と伝えるのです。

この流れは、しごく自然です。
お手軽な解決策でも問題は解決できるけれど、商品ならもっと早く確実に解決できますよというのは、納得しやすい話です。

商品を選ぶポイント

「よし、商品をアピールするぞ」と意気込みたいかもしれませんが、まだ待ってください。

商品を購入するメリットを伝えたら、次は、数ある商品の中から何をどう選べばよいのかを伝えます。要は、商品選びを間違えないための知識を教えるのです。

サプリメントなら、錠剤がよいのかカプセルがよいのか、どのメーカーの商品が目的に合うのかを教えてあげます。また、手を出してはいけないサプリメントがあるなら、それを見極める知識も教えます。

ここまでして、商品を勧める準備が整うのです。

商品の紹介(販売LPへ)

ここではじめて商品を紹介します。

商品を使った結果やレビューを紹介しても構いません。
ただし、やり過ぎると売り込み臭くなってしまいます。さじ加減が重要です。分析ツールで観察しながら微調整してください。

また、紹介する商品が一つだけでは、不信感を抱かれる可能性があります。その際は、目的や使用状況に応じて他社商品も紹介しておくといいでしょう。アフィリエイターなら、複数の商品を分類したり、ランキング付けしたりして紹介することに抵抗はないかと思います。

記事のまとめ

最後は記事としてまとめます。
商品を紹介して終わりだと、売り込みが目的のように映ってしまうからです。Webメディアの記事のように、普通に締めくくるようにしましょう。

型1「専門家による見解」は、ほかのWebメディアの体裁(ロゴヘッダーの横か下にメニューバー。2カラム。記事の本題に入る前に執筆者の紹介)に倣ったデザインがいいでしょう。信頼性が高まります。

記事LPの型2
商品を使ってみた


この記事LPの型は、一言で言えば、経過付きのビフォーアフターです。
経過や結果が目(写真)で見ることのできる商品にはうってつけです。

イメージしやすいのが、YouTuberと企業のタイアップ動画です。人気YouTuberが商品を実際に使い、経過や感想を配信している動画がありますよね。要は、それをテキストベースでやるだけです。

構成は以下です。

筆者が抱える問題や悩み
悩みの原因とその改善策
実際に商品を使ってみた
商品を使ってみた結果
商品の紹介(LPへ)

では、各セクションについて説明します。

筆者が抱える問題や悩み

筆者が抱えている問題や悩みを具体的に記しておきます。ここで重要なのは、写真でその悩みを伝えられるかです。

汚部屋をきれいにしたいなら、汚部屋の写真を載せておきます。ヘアスタイルが似合っていないなら、似合っていないヘアスタイルの写真を載せておきます。

もし悩みを描写する写真がなければ、筆者の悲しそうな顔写真を載せてください。顔芸だけで乗り切りましょう。

悩みの原因とその改善策

悩みを解決するための商品に辿り着きます。
行き着く流れは、ネットで探したでもいいですし、巷で有名な商品だからでもいいですし、友人から紹介されたでもいいです。経緯はどうあれ、最終的に売りたい商品に辿り着く形にします。

ただし、ヘタに経緯を作ると不自然になります。不自然になるぐらいなら、「そこで、◯◯によいと言われる、A商品を使ってみた」と唐突に入っても構いません。

実際に商品を使ってみた

商品が届くところから始まり、開封、使用までの所感を細かくレビューします。
2回目、3回目と使用を続けている様子の写真と感想を載せます。

商品によって、1回の使用で終わるものもあれば、数日~数ヶ月間使い続けなければならないものもあります。その場合は、企業が明示している「これぐらいで効果が表れる」とする期間を一つの節目にします。とりあえずは、明示されている期間を目標に使い続けましょう。

商品を使ってみた結果

最終的にどうなったのかを写真付きで掲載します。筆者の総合的なレビューを加えおくといいでしょう。

商品の紹介(LPへ)

最後は、商品LPへのリンクを貼って誘導します。特典などがあれば明記してください。

記事LPの型3
専門家への相談


型には、2通りのやり方があります。
一つは、「やってみた系から相談に行く」というパターン。もう一つは、「はじめから相談に行く」というパターンです。

2つの違いは、何かを行動に移してから相談に行くのか、何も行動せずに相談に行くのかの違いです。扱っている商品やサービスによって、どちらが好ましいのかは変わってきます。

「やってみた系から相談に行く」パターンとは

1つ目の「やってみた系から相談に行く」パターンは、効果があると言われる方法を試してみて、その結果を専門家に相談しに行くというものです。

たとえば、「重曹なら◯◯も落ちるらしい」→「実際に使ってみた」「あれ、おかしいぞ、落ちない」→「何が間違っていたのか、専門家に聞いてみた」といった流れです。

その後、専門家の名前と肩書、所属を紹介して、会話形式でのやり取りを載せます。最後は、もう一度相談に応じてくれた専門家の会社を紹介します(販売LPへのリンク)。

ネタ次第では、かなりユニークな記事LPになります。
たとえば、「有効関係が築けると言われるミラーリングを延々と繰り返したら、女性から好かれるのかを検証してみた」と銘打ち、実際に試したとします。「好かれるどころか、逆に嫌われてしまった。何が悪かったのかをNLPトレーナーに聞いてみた」といったネタなら、そこそこ面白い記事になるはずです。

「やってみた系から相談に行く」パターンは、2の型『商品を使ってみた』とは違い、商品を試すのではなく、巷にあふれている言説やノウハウを試すのです。要は、相談しに行くきっかけを作るのです。

以下、参考になる記事LPです。

LIGブログ

「はじめから相談に行く」パターンとは

2つ目の「はじめから相談に行く」パターンは、悩みが発生してそのまま専門家に相談に行くというものです。たとえば、「30日前に父が急死。母に聞いても父の資産がどれぐらいあるのか正確なところが分からない」→「どうしたらいいのかを専門家に相談してみた」といった流れです。

その後、専門家の名前と肩書き、所属を紹介して、会話形式でのやり取りを載せます。最後にもう一度、相談に応じてくれた専門家の会社を紹介します(販売LPへのリンク)。

このパターンは試せない分野に向いています。例に挙げたような、「父が急死して」といった相談は試せませんよね。大抵は真面目な相談内容になるはずです。

2つのパターンの構成を表にしました。

「やってみた系から相談に行く」「はじめから相談に行く」
状況説明と問題や悩みを書く状況説明と問題や悩みを書く
よいとされる方法を試してみる専門家に相談することに
結果を発表する相談相手(専門家)の紹介
専門家に相談することに相談する(会話形式)
相談相手(専門家)の紹介専門家の会社(LP)を紹介
相談する(会話形式)
専門家の会社(LP)を紹介

記事LPの型4
一般論から具体論へ


記事LPの4つ目は、スペックをテーマにした記事LPです。
たとえば、車用ワックスを扱っていたとしましょう。その場合、「◯◯成分が車によい3つの理由」といったテーマにします。詳しい話をしてから、最後に「◯◯成分を豊富に含むのは、AA商品」と推したい商品の話をしていきます。そして、いい具合のところで販売LPへと誘導します。

別の言い方をすれば、一般論(スペック)から具体論(商品)へ話をシフトしていくのです。

構成ですが、実はこれといったものがありません。テーマの打ち出し方によって構成は大きく異なるからです。「◯◯成分が車によい3つの理由」と「車用ワックスの選び方」では、同じ構成にはなりません。ただ、どちらにしろ一般論から具体論へ落とし込むことはできます。

使いやすい考え方なので、ぜひお試しください。

まとめ

以上が、記事LPの4つの型でした。
今回紹介した4つの記事LPであれば、大抵の商品やサービスに対応できるかと思います。一度、ご自身で記事LPを書き上げてみてください。いい報告をお待ちしています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

深井貴明のアバター 深井貴明 セールスコピーライター

広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社のコピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。

コメント

コメントする

目次