質の高いメルマガ読者を集める戦略と戦術

メルマガ登録者が増えずに悩んでいませんか。
一昔前と比べて、リストを集めるのが難しくなっています。1アドレス500円程度のコストで集められていたものが、今や2,000〜3,000円と上がりました。おそらく今後も上がり続けることでしょう。

このような状況下、過去のやり方では上手くいきません。過去のやり方とは、Webサイトに登録フォームを設置したり、SNSへの露出を増やしたりすることを指します。考えなくてはいけないのは、戦略です。戦略がない集客(露出)は、無駄な努力に終わってしまいます。

この記事では、メルマガ読者を増やす方法について戦略と戦術に分けて解説していきます。

この記事を書いた人
セールスコピーライター
深井 貴明

広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。

目次

質の高いメルマガ読者を増やす方法 戦略編

テーマを絞ったサイトを考える

メルマガ読者が集められるかどうかは、サイトテーマ(コンセプト)で決まります。ここでコケていたら、後はどんなにPVや露出を増やしても上手くいきません。無駄なエネルギーやコストがかかるだけです。

Webサイトのテーマ選びで大切なのは、いかに絞るかです。
たとえば、「Webマーケティング研究サイト」ではなく「リスティング研究サイト」、さらに「ディスプレイ広告研究サイト」と絞ります。絞れば絞るほどよいです。専門性がハッキリし、ユーザーからの信頼も得られやすくなります。

「おいおい、そんなに絞ったらアクセス数が集まらないだろう」といった懸念を抱く方もいるでしょう。はい、確かにアクセスの数はさして集まりません。しかし、テーマを絞っている分、ニーズがはっきりしている濃いアクセスが集まります。

ここでもし、サイトテーマとの関連性の高いメルマガを案内したらどうでしょうか。テーマを広げているサイトよりも登録率は高まるはずです。

テーマを広げるほどユーザーのニーズも多岐にわたるため、ニーズにマッチしたメルマガを作るのが難しくなります。一方、テーマが狭ければユーザーのニーズも明確になるため、ニーズにマッチしたメルマガを作るのは容易になります。つまり、少ないアクセスでメルマガ登録者を増やせるのです。

テーマが広いサイトでは、500UUにつき一人の読者登録が関の山。一方、テーマを絞ったサイトなら100UUにつき一人が読者登録してくれます。しかも、質の高いリストです。

テーマの絞り方は、顧客、商品、地域、その他セグメントで絞っていきます。この絞り方は、ポジショニング戦略で有名な、マイケルポーターが伝えている集中戦略の方法です。この理論はサイトテーマの絞り込みでも応用できます。

商品カテゴリーを細分化したり、顧客×商品を掛け合わせたりして絞り込んでいきます。たとえば、「着物専門サイト➡紬専門サイト」や「A顧客専門のB商品販売サイト」といった感じです。

私の知るクライアントは、「治療院専門のニュースレター作成代行サイト」を運営しており、クライアントを何百と抱えています。ここにアクセスする人たちは、当然治療院の方ですし、ニュースレターに興味のある方です。質の高いユーザーであることは想像に難しくないでしょう。PVに対して資料請求や申し込み率が高くなるのは必然です。

サイトを横展開していく

サイトテーマを絞れば濃いアクセスが集まりやすくなり、質の高いメルマガ読者を増やせる。この理屈は理解できたかと思います。

「でもうちは、A業界、B業界にも売っている商品だから、A業界だけに絞るとB業界が漏れてしまう」
「うちは、A商品だけでなく、B、C、D、E、Fの商品も扱っているから、A商品だけに特化したら、他の商品が漏れてしまう」と、不安が残るかもしれません。

それらの不安を解消する方法があります。それは、サイトの横展開です。
Aサイト、Bサイト、Cサイトと、絞り込んだテーマに応じてサイトを作っていきます。そしてそれぞれのサイトでオリジナルのメルマガを発行していくか、同じメルマガを発行します(理想は前者ですが)。

「各テーマに沿ったサイトを用意して、メルマガもそれぞれ用意するって大変じゃないか」
そう思うかもしれませんね。ですが、そんなことはありません。大変そうに見えるだけで、テーマを広げたサイトよりもかける労力は少なくて済みます。その理由は3つあります。

理由1 記事数が少なくて済む

テーマを絞ったサイトは、30〜50記事あれば充分です。下手したらもっと少なくていいかもしれません。テーマに合わせた情報さえ十分に載せておけばいいのですから。後は、順位を見ながらテコ入れをしていくだけです。

一方、テーマを広げているサイトは、記事数を増やしてアクセス数を稼ごうとします。100記事、200記事、300記事と増加の一途を辿ります。

延々と記事を書き続けることを考えれば、30〜50記事書いてテコ入れしていくほうが労力は少ないのです。

また、サイトデザインは有料テンプレートを使えば、お金はほとんどかかりません。一度購入したテンプレートは何度でも使えます。同じテンプレートを使っていれば操作にも慣れるため、ドメイン取得から導入まで30分で終わります。デザインの初期設定も2時間で終わります。

理由2 サイト同士のリンクによるSEOに有利

サイトをいくつも作れば、サイト同士をリンクさせることも可能です。ご存知の通り、外部リンクはSEO上有利に働きます。顧客、商品、地域のいずれかの絞り込んだ複数のサイトは、関連性が高いため被リンクの効果は抜群です。

スパム行為にはならないの? と心配されるかもしれませんが、被リンクを目的にサイトを作っているわけではないため問題ありません。また、記事に関連する情報が載っている関連サイトを紹介するのは、ユーザーにとって有意義なリンクになります。こうした被リンクは、スパム扱いにはなりません。

テーマを絞ったサイトをいくつも作り、リンクで繋ぐのはユーザーのためにもなり、SEOにも有利に働くのです。

理由3 別サイトのコンテンツを無料レポートに流用できる

後でも述べますが、メルマガ登録者を増やすためには、無料オファーが必須になります。無料オファーには、レポート(PDF)、音声(MP3)、動画(YouTube)などがあります。

関連サイトがいくつかあれば、そのサイトのコンテンツを流用して無料レポートを作ることもできます。
たとえば、Aサイトのメルマガ登録を促す無料レポートの原稿を、Bサイトのコンテンツをもとに作るといった感じです。そのまま流用するのは気が引けるのであれば、編集・加筆してもいいでしょう。または、文章力のあるライターにリライトしてもらうのも手です。

ほか、ファイル形式を変える方法もあります。
たとえば、Bサイトのテキストコンテンツをもとに、音声や動画を作るのです。

このように、一つのサイトをぷくぷくと太らせるよりも、サイトを細かく分割したほうが何かと有利なのです。

さて、テーマが大きいサイトと絞り込んだサイトとでは、後者のほうがメリットが大きいことがご理解いただけたかと思います。

以上が、メルマガ読者を増やす戦略でした。ここからは、メルマガ読者を増やす3つの戦術について解説していきます。

質の高いメルマガ読者を増やす3つの方法(戦術編)

1.魅力的な無料レポートを用意する

メルマガ登録の確率を高めるには、無料オファーが必須です。最もよく使われているのが、無料レポート(PDF)です。動画や音声でも構いません。どちらにしろ、オファーなしでメルマガ読者を増やすのは至難の技だと覚えておいてください。

なぜ、無料オファーが大事なのか。

たとえば、ユーザーから見て、無料レポートとメルマガ、どちらのほうが魅力的に映ると思いますか? 無料レポートのほうです。これは、少し考えると見えてきます。

無料レポートは、一回で欲しい情報が手に入りますが、メルマガは何回(何日)にもわたって読み続けなければ欲しい情報が手に入りません。ユーザー目線から考えれば、無料レポートのほうがありがたいのです。

加えて、メルマガのほとんどは売り込みがメインだとユーザーは気づいています。ですから、無料レポートなしのメルマガへ登録させるのは難しいのです。

魅力的な無料オファーを作り、前面に打ち出すことが戦術の中で最も重要な要素になります。

無料オファーの作り方

当然ですが、無料オファーはサイトテーマと関連性の高いものが好ましいです。でないと、ユーザーから見て魅力的に映りません。無料オファーは一つとは限りません。複数用意するのもありです。

特に、タイトルと表紙には力を入れてください。タイトルと表紙がショボイと、内容までショボく見られてしまいます。何日も時間をかけてタイトルを考えてもいいですし、デザイナーに表紙を作ってもらってもいいです。

では、具体的にどんなタイトルにすれば魅力的になるのか。無料レポートは、基本的に「お役立ち情報」がウケます。マインド系や考え方といったものはウケません。

お役立ち情報に使えるタイトル例は以下です。

「◯◯選びに失敗しないための5つの方法」
「メルマガ登録率が5.7倍になったLPのテンプレート」
「慢性的な睡眠不足だった私が、ぐっすり眠れるようになった3つの睡眠法」
「1記事から10万円を稼げるようになるライティング術」
「セールスをしなくてもお客さんから欲しいと言わせるヒアリング術」
「30人中26人が効果を実感した。1日5分でできるセルフ美顔エステ術」
「97.6%の売却率。売れる商品を見分ける5つの秘訣」

キーワードは、「方法」「ノウハウ」「術」「テンプレート」「ステップ」「テクニック」「〜のやり方」「コスパ」「入門」「初心者」「全集」「大全」「やってはいけない◯◯」「誤解だらけの〜〜選び」「攻略法」「コツ」「パターン」「習慣」「定石」「秘訣」「ツボ」「型」「雛形」「事例集」「◯分」「何人中何人」「◯◯.◯%」

といったものです。ここに数字が入れば、より魅力的になります。

タイトルの事例をもっと知りたい方は、書籍『売れるコピーライティング単語帳』(著者 神田昌典・衣田順一)の111p〜133pを参考にしてください。

2.オプトインページを作る

無料オファーが用意できたら、次はオプトインページを作ります。
オプトインとは、「メール送付の許諾を得る」の意味です。つまり、オプトインページとは、メール送付の許諾を得ることを目的にしたページです。

オプトインページは、「メールアドレスを登録してもらう」。この一点のみが使命です。ですから、他のページへ移動できるリンクなどは一切付けません。

オプトインページの作り方は、シンプル派とガッツリ派に別れます。シンプル派とは、スクロールなし、もしくは2スクロール程度で済むページボリュームでいいと考える派閥です。ガッツリ糸とは、有料の商品を売るかの如く、縦長のページを作り込むのがいいと考える派閥です。

面倒なのは、どちらも成果が出ていること。ユーザーの欲求度合いと無料オファーの魅力度、提供者のポジショニングによって適切な長さが決まると私は考えます。

加えて、売り込み臭がするかどうかも大事です。「メールアドレスを登録したら、しつこい売り込みメールが毎日届きそうだな」と思われたら、説得する必要が生じるため縦長のLPにする必要が出てきます。プロダクトローンチといったセールス手法が常態化している業界では、ユーザーが警戒しているため、LPは縦長になりがちです。

まずは、シンプルな作りのオプトインページを自分で作ってみるといいでしょう。それでもしダメなら縦長のLPを作ってみましょう。

サイト内では、記事中とサイドバーにオプトインページへのリンクを貼っておきます。

記事中

無料オファーの内容に関わる話をした際、オプトインページへのリンクを紹介しておきます。話の流れでリンクを紹介しているため、リンクを踏んでもらいやすいです。

サイドバー

無料オファーを前面に出した画像を用意し、クリックしたらオプトインページに飛ぶようにします。PCでサイトを見ている場合、サイドバーは必ず目につく場所です。上部に設置してオプトインページへのアクセスを増やしましょう。

以上が、サイト内におけるオプトインページへの飛ばし方です。ほかにも、ポップアップやメニューバーも有効です。どれを使うかは、サイトのデザインとの兼ね合いを考えて選んでください。

続いていは、外部からオプトインページに誘導する間口について解説していきます。

3.メルマガ登録の間口を増やす

SEO以外にもメルマガ読者を増やす間口は大きく分けて5つあります。これらは基本、オプトインページに誘導し、メルマガ登録をしてもらうものです。では、5つを紹介していきましょう、

  1. 電子書籍
  2. YouTube
  3. 音声メディア
  4. SNS(Twitter・Facebook)
  5. ネット・SNS広告

では、一つずつ説明していきます。

電子書籍(Kindle)

電子書籍を出版して、書籍内で無料オファーを提示して読者を集めます。この方法の何が優れているかというと、お金をもらいながらメルマガ読者を集められる点です。

40代以上の方で覚えている方もいると思いますが、一昔前、ビジネス書の中には無料レポート進呈用紙がよく挟まれていました。要は、アレと同じです。

こうして昔を振り返っても、リストの集め方は全く変わっていないのです。無料オファーを提示してリストを集める。その後は、教育して商品を販売していく。そのままです。10年後も20年後も同じかもしれませんね。

電子書籍は作るのは大変ですが、広告と比べたら圧倒的にリスクが低いです。仮に、失敗したとしても電子書籍を執筆した時間だけの損失で済みます。

「でも、テーマを絞ったサイトで30記事〜50記事と無料レポートを書いたら、もう電子書籍を書くネタがないよ」という場合もあるでしょう。

解決策は、2つあります。

一つ目は、切り口を変えて書いてみるのです。
Amazonを開いてユーザーが読んでいそうな本のタイトルを眺めていきます。そうしていくうちに、この切り口なら書けそうだな、といったものが見つかります。もしそれでも見つからない場合は、大きな書店や図書館に足を運び、ジャンルを問わず様々なタイトルを眺めてください。面白い切り口が見つかるかもしれません。

二つ目は、Webサイトにある情報を Webライターにリライトしてもらうやり方です。
執筆者本人がリライトするとなると文体が似てしまいますし、何より同じ内容を書くことにモチベーションが湧きません。なので、他の人に書いてもらったほうが得策です。

電子書籍の体裁を整えるには、だいたい1.5万字が必要と言われています。もし、30記事も書いていれば、5万字以上のコンテンツはあるはずです。Webライターさんにサイトを読み込んでもらい、電子書籍の執筆を代わりにしてもらいましょう。ただし、構成だけはこちらで考えなくてはいけません。

2.YouTube動画

YouTube動画を配信しているのであれば、必ず動画説明欄とカード機能を使ってオプトインページへ誘導します。動画内でもCMをしておくといいでしょう。

YouTuberとしてお金を稼ぐのではなく、商業用として活用するのであれば、YouTubeの読者登録数よりも、YouTubeからのメルマガ登録者の数を気にしてください。こちらの数のほうが大事です。

3.音声メディア
動画の次に来ると言われているのが、音声メディアです。動画はYouTubeの独壇場ですが、音声メディアは多様にあります。そのため、いくつもの音声メディアにアップロードしなくてはいけません。正直面倒です。

そこで役に立つのがAnkerというサービスです。ここでは、音声を一回アップローすれば、9つのメディアに自動配信されます。圧倒的に便利です。音声説明欄にオプトインページへのリンクを貼ることもできます。

4.SNS

SNSとは、ここではTwitter、Facebook、Instagramの3つを指します。

まずTwitterですが、固定ツイートで無料レポートの紹介をしてください。オプトインページへのURL記載も忘れずに。次いでFacebookですが、Twitterと同じく、無料レポートを紹介した投稿を固定にしてください。最後のInstagramですが、プロフィール欄で自己紹介の最後に無料レポートのタイトルとオプトインページのURLを記載するようにします。

後は、フォロワーが増えるような投稿をし続けてください。

5.ネット・SNS広告

今までの方法は、時間はかかるけれどお金はかからない方法でした。ここから先は、時間はかからないけれどお金はかかる方法になります。すぐに稼げるようになりたいなら、広告の攻略は必須になります。

広告の設定方法について詳しく解説したら、それだけでひとつのサイトが必要になるため、詳細は省きます。肝だけお伝えしておきます。

1.リスティング広告

まず、質の高いユーザーが検索しそうなキーワードを抽出し、「完全一致」によるリスティング広告を出していきます。
完全一致では、大してアクセスは集められませんが、まずは、ちゃんとCVが取れるかをチェックしてください。そこから、部分一致にしてキーワードを広げていきます。

費用対効果が悪くなるはずですが、コンバージョンタグを設置していれば、どのキーワードがCVするのかが分かるはずです。CVRの高いキーワードを拾い出し、「完全一致」にして運用します。これが一番リスクの低いやり方です。

2.Facebook広告

今一番リストが取れる広告として注目されているのが、Facebook広告です。ターゲティング設定が優れているため、見込み度の高いユーザーへアプローチできるのがその魅力でしょう。オプトインページからリスト集めをするなら、是が非でも攻略したい広告です。

3.リ・マーケティング広告

1、2の広告と合わせてやりたいのが、リ・マーケティング(リ・ターゲティング)です。
リ・マーケティングは、オプトインページを見たけれどメルマガ登録はしなかった人に向けて広告を出していきます。

注意点としては、登録した人には広告が出ないように設定してください。無駄な広告費を出すハメになりますし、登録者からしてもいい気分はしません。

リ・マーケティングの広告をクリックした人に同じオプトインページに飛ばしてもいいのですが、以前同じページを見てメールアドレスを登録しなかったのですから、別の切り口のオプトインページを用意してもいいでしょう。無料レポートを変えてみるのも手です。

まとめ

いかがでしたか。
質の高いメルマガ読者を増やす戦略と戦術について解説しました。参考になれたなら幸いです。

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