LPのコピー(原稿)を自作する人は多いです。
読み書きは義務教育で教わるため、少し勉強すれば自分でもセールスコピーは書けると考えるからです。
ですが、デザインとなると話は別です。芸大や専門学校にでも行かない限り、デザインについて学ぶ機会はほとんどありません。つまり、自作するハードルは、セールスコピーよりも圧倒的に高いのです。
ここでいくつかの選択肢が表れます。
- LPデザインのツールを使って自作する
- プロのデザイナーにLPデザインを依頼する
- デザイン理論とAdobeソフトを学び、自作する
③を選ぶ人はかなり稀です。
多くの人は、①か②で悩むはずです。
①を選べば低額で済み、編集も自由にできます。ただし、デザイン性はプロに負けます。
②を選べばデザイン性の高いLPになります。ただし、制作費用と編集毎にお金が掛かります。
最も気になるのは、成果です。
たとえ費用がかかったとしても最終的に利益が大きくなるなら、誰だって②を選びます。ですが、プロにお願いしたからと言って必ずしも費用以上の効果が得られるわけではありません。成功率は上がるかもしれませんが、確実ではないのです。
こうしたジレンマに陥り、どうしたらいいかと悩むのです。
そこで今回、自作と依頼を分ける条件について説明します。
LPデザイン、自作と依頼を分ける4つの基準
以下の条件に多く当てはまる商品ほど、プロにお願いしたほうがよいと言えます。
▢ 顧客一人あたりの年間LTVが高い(50,000円/件)
▢ LPへのアクセスが多い(1,000pv/月)
▢ 商品の見た目が売れ行きを左右する
▢ 情緒的価値を提供する商品
一つずつ説明しますね。
1.顧客一人あたりの年間LTVが高い(50,000円/件)
顧客一人あたりの年間LTV(ライフタイムバリュー)が高ければ、LPデザインに費用を割いても問題ないでしょう。LPデザインにかかった費用の回収が容易だからです。30万円かかったとしても、LTVが10万円なら顧客を3人多く獲得できれば回収できます。
LPに投資してもいいLTVの目安は、50,000円/件です。
毎月100人獲得していた新規客が110人(件)になれば、将来500,000円に化ける計算です。デザイナーに投じたコストなんてすぐに回収できます。
プロにお願いするお金を惜しんでしまうのは、一人あたりの利益が少ないからにほかありません。1つ売れれば100万円稼げるなら、LPデザイン費用の10万、20万円なんて大したコストに映らないはずです。
2.LPへのアクセスが多い(1,000pv/月)
アクセスの多いLPは、デザインに力を入れる価値があります。一方アクセスの少ないLPにはその価値はあまりありません。
デザインに力を入れるかどうかの目安は、1,000pv/月です。
1,000pv以上を集めるということは、それだけ本気で売り出すという気概やマーケット規模があることを意味します。1,000pv集めるほど力を入れない、マーケットがないのなら、LPにお金をかけても無駄になります。
また、LPデザインの効果をテストするうえでも一定数のアクセスが(最低でも300pv)必要です。テスト一つするのに数ヶ月掛かるようではLPは一向に完成しません。
先の条件と合わせると以下のようなマトリクスになります。
3.商品の見た目が売れ行きを左右する
世の中には、商品の見た目が売れ行きを左右するものがあります。たとえば、貴金属や化粧品、食品などがそうです。これらの商品群は、視覚的な訴求に力を入れなくてはいけません。市場価格よりも高い商品は特にです。
どんなに高級な貴金属でも、写真やデザインが安っぽければ、安物に見えてしまいます。こうした商品は、いかに高クオリティーに見せられるかによって売れ行きが決まります。言い換えれば、期待値を高めて売る商品なのです。
関連記事:「売る」の本質は「期待」にある! 期待で売るマーケティング
LPデザインは、商品をよりよく見せるディスプレイの一つだと思ってください。
4.情緒的価値を提供する商品
プロにLPデザインをお願いしてもよい条件の一つに、「情緒的価値を提供する商品」があります。情緒的価値とは、商品を所有または使用することで得られる精神的、感情的な価値に重きを置いた商品です。特にライフスタイルに影響を与える商品がそれに属すると考えてください。
たとえば、万年筆がそれにあたります。利便性やコスパで言えば、ボールペンやシャーペンのほうが上回ります。それでも高い人気を誇っているのは、優れたデザイン性、手に伝わる独特の書き心地がたまらないからにほかなりません。万年筆で物を書く生活に憧れ、それを実現させるために何万円も支払っているのです。
情緒的な価値を提供している商品は、「憧れ」を抱かれてこそです。憧れを抱かれるためにも、LPデザインもCOOOLにしておかなくてはいけません。
コピーとデザインの主従関係は、基本的にはコピーが主です。
私がセールスコピーライターだからそう言っているのではありません。売れるデザインを研究しているセールスデザイナーのHitomiさんがそう仰っているのです。
私がLPデザインの案件に関わり感じるのが、「コピーが良ければデザインは最大の効果を発揮する」です。逆に、コピーが良くなければデザインをいくら良くしても反応はあまり変わりません。過去に関わったリニューアル案件があるのですが、コピーを変えずにデザインのみを変えたんです。反応は全く変わりませんでした。
一方、反応が取れているものに共通するのは、コピーがとっても良いということです。テキストの状態を見ただけで、申し込みたくなる気持ちが湧いてきます。
デザインを活かすも殺すもコピー次第なのですから、セールス力の高いコピーだけはちゃんと用意しておいたほうがいいです。セールスデザイナーのHitomiさんが仰っているように、コピーの弱さをデザインでは補えないからです。
Webデザイナーへの頼み方
成約率の高いLPデザインが手に入るか否かは、Webデザイナー選びだけでは決まりません。発注側のリサーチ結果やペルソナ設定、目標CVRをしっかり提示できるかどうかも、成否に影響を与えます。
目標CVRを提示する
目標CVRは、必ず提示してください。
成果を意識してデザインを考えるデザイナーは少数です。発注側が目標を示さなければ、デザイナーはカッコよさだけを意識したデザインを作ってきます。そうならないためにも、「CVR1%を超えるLPを作ってほしい」と目標CVRを提示してください。自信がないデザイナーは手を引きます。
目標CVRは、顧客獲得単価(CPO)が年間LTVの4分の一以下になるよう算出します。たとえば、年間LTVが100,000円なら、顧客獲得単価の上限は25,000円。クリック単価が150円なら、CVRは0.6%以上が目標になります。
自作LPは基準になる
自作でLPを作り、CVRを割り出してからデザイナーにお願いするのも手です。
基準となるLPとそのCVRがあれば、デザイナーは自分がどれだけ貢献できるのかが予想しやすくなります。「このデザインでCVR0.5%なら、私がデザインすれば0.8%にはできるんじゃないか」と。
自作LPではなく、プロに作ってもらったLPでも構いません。大事なのは、基準となるLPがあることです。基準があるだけ、予想が立てやすくなります。
ほかに、リサーチ結果やペルソナの設定なども伝えられれば、デザイナーは仕事がしやすくなります。詳しいやり方は、こちらの記事を参照してください。
関連記事:【マル秘】セールスライターが使うリサーチシート(3C分析)
まとめ
LPデザイナーにお願いする基準と発注の仕方について説明してきました。
もし、基準に当てはまらなかった、微妙だったという方は、LPを自作することをお勧めします。自作LPにオススメなツールは、こちらの記事で紹介しています。
参考記事:ノーコードでも綺麗なLPが作れちゃう7つのツール
状況が変わりプロにお願いすることになったとしても、自作LPは無駄にはなりません。先述したように、自作LPは基準LPになるからです。
では、LP作りに邁進してください。
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