「DMを送ったのに、全然反応がない!」
そんな苦い経験、していませんか?
これと同じ相談をビルメンテナンスを手がける経営者から受けました。
2000件近く送付して、反応がゼロ。
魅力のないサービスだったのかといえば、決してそうではありません。
補助金申請までしてくれる、素晴らしいサービスでした。
サービスの内容を聞いて、「必ず反応が得られる」と感じました。
そこで、「ぜひ私にDM(セールスレター)を作らせてほしい」とお願いしたのです。
完成したDMを送付してもらった結果、前回と同じリストでありながらも、1,850万円を売り上げました。
このように、DMの反応を上げてきたことは一度や二度ではありません。
今回、私が持っているDM手法や考え方を、本記事にまとめました。
ぜひ、参考にしてください。
売れるリストかを見極める
DMが成功するかどうかは、リストの質で8割決まります。
リストの質が悪ければ、どんなに出来の良いDMが作れたとしても成功しません。
では、どんなリストなら、質が良いと言えるのか。今からお伝えします。
送付先は法人格
前提として、新規開拓でDMを送ることができるのは、法人のみです。
取引関係もない一般の方に対して、法律上、DMは送付できません。
まずは、この点を押さえてください。
必要性が発生する(している)
DMを送付する先は、商品・サービスの必要性が発生する(している)リストであること。
これが絶対条件です。
ビルメンテナンスの場合、20年前後で一度はメンテナンスが必要になります。
建築後、20年近く経っていればニーズは発生しているわけです。
さらに、その必要性は高ければ高いほどよいです。
ビルメンテナンスは、遅かれ早かれ避けては通れません。
年数が経っているほどニーズは高まります。「20年以上、何もしていない」。こうしたリストが狙い目です。
ただし、対象者がその必要性に気づいているかは別です。
気づいていない場合は、チャンスです。必要性を丁寧に教えてあげることで、仕事を受注できます。
セグメントできる
さらに、無駄な送付を避けるため、リストを絞り込みます。
商品にあったセグメントの仕方があるはずです。
ビルメンテナンスの場合、築年数でセグメントします。
築年数が若いビルは、まだニーズが発生していないため、リストから外します。
このように、どのようなセグメントが有効かを考えてください。
開封率を上げる、ひと手間
リストが決まったら、次はDM制作に入っていきます。
DMで最初の大きな関門は、「開封」です。読まれる前に捨てられることだけは、何としても避けなくてはいけません。そのためにできる方法をお伝えします。
キーマンに送る
DMの宛名は、必ず名前を記載してください。
「◯◯関係のご担当者様へ」は避けてください。
ゴミ箱に直行する率が高まります。
代表者宛なら、ネットを調べればすぐに名前が分かります。
しかし、特定の部署の責任者に送る場合は、そうはいきません。担当者の名前を入手する必要があります。
その場合は、電話して聞いてください。
「~~についてのご案内をお送りしたいのですが、どちら様にお送りすればよろしいでしょうか?」と尋ねるのです。
後述しますが、担当者名を入手しておくことで、DMを送付した後もフォローができます。
宛名は手書きする
宛名は「手書き」することを強く勧めます。
封筒に気の利いたコピーを書くよりも、何倍も効果があるからです。
人間の心理として、手書きで書かれた封筒をゴミ箱には入れられません。
「手書きは面倒くさい。もっと効率よくできないのか」
そう思うかもしれませんね。確かに、宛名の手書きは面倒です。
しかし、非効率かと言えばそんなことはありません。
BtoBの場合、1件成約すれば数十万円~数百万円です。
開封率を上げられて、成約数が増えるのなら、手書きにかかるコストなんてたかが知れています。
この手間を惜しんで宛名ラベルを貼って送るほうが、お金の無駄使いです。
逆に言えば、手書きの手間を惜しむようなリストなら、送る必要はありません。
切手を貼る
次に切手です。
「料金別納郵便」の印ではなく、切手を貼って送付します。
記念切手なら尚良し。受け取ったほうも、「手書き+切手」で送られてきたら、もうゴミ箱に投げ捨てることはできません。
伝説のコピーライティング実践バイブル(著 ロバート・コリアー)でも、こう記されています。
切手にもレターに注目してもらう効果がある。赤い2セント切手を2枚貼るほうが、4セント切手を1枚貼るよりも反応が大きい。赤の2セント切手1枚のほうが緑の1セント切手2枚よりも効果的。茶色の1セント半の切手は4セント切手によく似ているので、緑の1セント切手より反応がいいが、半セント切手2枚ほどではない!(p80)
引用:伝説のコピーライティング実践バイブル(著 ロバート・コリアー)
封筒は、上質な紙にする
これは「可能なら」というレベルですが、少し上質な紙を使った封筒で送ってください。
人の触覚は敏感で、日ごろ送られてくる安い封筒と紙質が違えば気づきます。
紙の厚さや手触りがいつもより上等なら、その中身も大切なものだというメッセージと受け取ります。
内容物をしっかりと読んでもらうためにも、封筒にもこだわってください。
物を入れる
開封率を高める手法の一つに、「物を入れる」といったものがあります。
封筒が凸凹するため、気になってつい開封してしまうのです(「燃えないゴミだったら困る」といった理由もあるのかも知れませんが……)。
ただし、無意味に物を入れても、コストがかさむだけで無駄です。
「宛名を手書き」「切手」「上質な封筒」の3点にこだわっていれば、基本的に物を入れる必要はありません。十分に開封させることができます。
しかし、サンプルなどを入れるのなら、話は別です。
DMを受け取った担当者も、サンプルがあるほうがイメージが湧くため、成約率アップに寄与します。
DMに一言添える
開封率を高めるために、一言を添えるのも手です。
ただし、せっかく手書きして紙質の良い封筒で送ったのに、添えた一言が売り込み臭かったら台無しです。
お勧めの書き方があります。
それは「読むタイミング」を伝えること。
「~~のときにお読みください」
こんなふうに書かれていたら、気になって仕方ありません。
できれば、DMでセールスしている商品(サービス)に関係するタイミングが好ましいです。
一言は絶対ではありません。
私信に見せるため、あえて「一言を添えない」のも手です。
顧客心理を考えて、お好きなほうをお選びください。
郵送DMは、メールやLINEと違い、開封率を正しく測ることはできません。
そのため、反応が悪かったとき、「開封率に問題があったかも」という疑念を残したくないのです。
手間を惜しんで半端な施策をして失敗したら、開封率の疑念を残し、最悪もう一度やり直しをする羽目になります。
疑念を残すなら、「内容物」と「タイミング」だけにしておきたいのです。検証するものが減る分、正解に早く近づけます。
これで差がつく!DMに必須な内容物
最初の難所である「開封」を突破したら、次は内容物です。
郵送DMの成否は、内容物に大きく左右されます。
では、DMには何を入れたら良いのか。
詳しく解説します。
DMの主役はセールスレター
DMの中に入れるものは、主に3つです。
・セールスレター
・パンフレット
・申込書
場合によっては、お客様の声集や事例集なども入れます。
この中で、最も重要なのはセールスレターです。
先ほど紹介した書籍『伝説のコピーライティング実践バイブル』(著 ロバート・コリアー)にも、DMの成功要因は、65~75%がレター、15~25%がパンフレット、5~10%が申込ハガキや注文用紙だと述べられています。
では、セールスレターはどう書けば良いのか。
ここで詳しい構成を説明すると、それだけで1万文字は要してしまいます。
詳しくは、「【完全網羅】セールスライティング9つの型(テンプレート)」の記事で記していますので、お読みください。
ここでは、BtoBにおいて、特に注力して書いてほしいことをお伝えします。
ちなみに、ビルメンテナンスの事例は、改善したのはセールスレターのみです。
先ほどから紹介してきた開封率を上げる工夫はしていません。
にもかかわらず、反応ゼロから売上1,850万円になりました。
それだけ、セールスレターが与える影響は大きいと言えます。
もちろん、開封率を上げる工夫をしていれば、もっと売り上げていたはずです。
何がどうなったら対策が必要なのか教える
DM送付先の企業は、「何がどうなったら対策しなければいけないのか」を知らない場合があります。
そこでセールスレター内では、何がどうなったら対策がいるのかを教える必要があります。
「こんな兆しはありませんか?」
「こういう症状や状態になっていたら危険ですよ」
と、言葉だけではなく、写真やイラストも使って伝えるのです。
ビルメンテナンスの例で言えば、
「屋上のコンクリートにひび割れがあったらメンテナンスが必要です」と、写真を見せながら説明をしました。
このように、教えることによって、どんな状態になれば対策が必要なのかを理解してもらえます。
放置すると、どうなるかを伝える
もし、対策をせずに放置したらどうなるのか。
そのリスクを知らないようであれば、教えます。
法人の場合、対策を講じないリスクは以下の4つに集約されます。
・人命に関わり、信用失墜や責任問題になる
・大きな事故に繋がり、多大な損害を被る
・法令違反となり、最悪、営業停止になる
・対策を後にすると余計にコストがかかる
この点をしっかりと伝え、早期に対策する必要を伝えます。
関連記事:【完全保存版】売れるボディコピーの書き方と素材を徹底解説
導入プロセスを分かりやすく伝える
商品やサービスによっては、導入までに施工や手続きがかかるものもあります。
その場合、どんな工程を経るのか、各工程どれぐらいの日数がかかるのかを説明します。
フローチャートや画像を使っていただければ、分かりやすいです。
手間がかからないことを伝える
企業にとっては、金銭的なコストのほかに、導入にかかる手間もコストになります。
あまりにも手間がかかるものだと、導入を敬遠されてしまいます。
売り手側は、企業側が手間なく導入できるサービスを考え、その旨をセールスレターで伝えてください。
意外と、「手間」は買わない理由になってしまうものです。
費用感を伝える(見積もり例)
導入にあたり、最も気になるのは費用です。
BtoCと違い、BtoBは法人の規模によって、かかる費用は大きく変わります。
正確な費用については、見積もりが必要になりますが、費用感は伝えたほうが良いです。
おおよその費用が伝わり、検討されやすくなります。
そこで、見積もりの例を用意します。
「これぐらいの規模だとこの程度の費用がかかる」といったものを載せておくのです。
これがあるだけで、心理的な不安は大きく解消されます。
申し込み方法はすべて載せる
申込用紙は、記入してそのままFAXできるようにします。
加えて、電話番号、Web申込先(URL)、QRコード、郵送先も載せておきます。
要は、すべての申し込みに対応できるようにしておくのです。
郵送DMで送付した場合、大抵はFAXで返ってきます。
または、電話による問い合わせのついでに申し込みしてきます。
追い電話セールスをする
DM送付から5日以内におおよその反響が来ます。
それ以降はポツポツとある程度です。
ここで電話セールスをかけます。
電話セールスをした場合、成約数は1.5~3倍になります。
DMのみの成約数が5件ならば、電話をかけることで成約数が7.5~15件になるのです。
やらない理由はないです。
電話をかける際は、事前に調べた担当者に直接電話をかけます。
この時、「DMはご覧いただけたでしょうか?」と聞いてはいけません。
上記のような聞き方をすると、見ていたとしても、「見ていない」と断られてしまいます。
「お忙しくて、まだご覧いただけていないと思いますが、5分間だけ~~のご説明をさせてください」とお願いするのです。
この一言を入れるだけで、断られる可能性が大きく減ります。
ニーズが高まるタイミングに送る
タイミングは極めて重要です。
反応率が何倍にも高まる可能性を秘めているからです。
まず、ニーズが高まる時期にDMを送るのが鉄則です。
これといってニーズが高まる時期がない場合は、暇な時期に送るようにしてください
。間違っても、決算時期や繁忙期に送らないようにしてください。反応が激減します。
以前、こんなことがありました。
浄化槽コンサルタントをしている方のDMを作成したときのことです。
納品してから数週間後、「DMの反応がない」と一報をいただきました。
「いつお送りしたのですか?」と尋ねると「年末」とのこと。
「その時期は、どこも忙しいですよ。もう一度送ってみてください」と提案しました。
数週間経ってから「2件契約になり、直近200万円の売上になりました。ほか2件と商談中です」と報告をいただきました。送付したリストは前回と同じ250件ほど。
タイミングが違うだけで、反応がゼロから200万円に跳ね上がったのです。
タイミングを外すと、どんなに良いDMでも、無に帰してしまうのです。
事件や事故はチャンス
ニーズが急激に高まるタイミングがあります。
それは、業界内の事件や事故が起きたときです。
業界全体、「自分たちの会社は大丈夫かな」と不安を覚えるため、DMの反応が上がります。
セールスレターの中でも、「◯月◯日のニュースをご覧になりましたか?」と触れておくと良いでしょう。
チャンスを掴むためにも、ビジネスに関わるニュースには、感度を高めておきましょう。
最低でも年に1回、できれば2回送る
DMは最低でも年に1回、可能であれば年に2回送付してください。
ニーズが発生するタイミングは、見込み客によって異なります。
年に何回か送付することで、ちょうど運良くニーズが発生しているときにDMが届くということもあるのです。
それと、年に2回以上送付することで「◯◯だったらAA会社」と認知してもらいやすくなります。
ニーズが発生した際、向こうから連絡をしてくれるようにもなるでしょう。
関連記事:一番に想起してもらえるキャッチフレーズの作り方と事例集
まとめ
郵送DMの手法について解説しました。
この記事に書かれているとおりに行っていただければ、成功率は飛躍的に高まるはずです。
ネット全盛期の今、DMは大きな成果を生む強力な手法です。ぜひ、実践してください。