今回は、私の添削サービスを受けて、無料相談の申し込み率が改善したLPの事例をご紹介します。公開許可をくださったクライアントは、事業再構築補助金の申請代行サービスをしている企業です。
では、私がどこをどのように添削をしたのか、まずは結果からご提示します。
添削前 | 添削後 | |
無料相談の申し込み率 | 2.1% | 3.6% |
1件あたりの獲得コスト | 1.5万円 | 0.95万円 |
添削前の申し込み率は2.1%、添削後には3.6%にUP(1.7倍に!)。クライアントは広告も出しているため、申し込み率の改善に伴い、1件あたりの獲得コストも改善しました。添削前は1.5万円/件、添削後には0.95万円/件に削減。
私の経験から言って、改善率が25%を超える施策は成功です。25%以下だとその効果は一時的で、元に戻ることもよくあります。けれども、25%を超えるとそういった現象はほぼ起きません。今回の事例は、間違いなく改善に成功したと言えるでしょう。
では、私がした添削内容をこれからご紹介します。
広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。
添削前のLPと添削後のLP
下記にある添削前と添削後のLP(オプトインページ)をご覧ください。
(添削前のLPだけを見て、「自分だったらどう直すか」と考えてみるのもいいですね)
添削前
添削後
LPのCVRを上げた9つの施策
では、添削内容を解説します。
1.競合にはない「強み」をファーストビューに持ってきた
LPを添削する際、私は必ず競合調査をします。
どこが競合に負けていて、どこが競合に勝っているのか。これを見つけられなければ、活路は見出せません。
競合調査をしたところ、予想通り、多くの競合は採択率を前面に出していました。正直、クライアントよりも高い採択率を上げているところもあります。この場合、採択率で勝負しても勝てません。引き立て役になってしまうだけです。
クライアントが持つ競合にはない魅力は、「中小企業診断士2名」と「再申請の採択率100%」でした。そこで私はこの2つを強みと捉え、ファーストビューに持ってくるようにしたのです。
2.申し込みフォームをファーストビュー下に置いた
改善前のLPには、申し込みフォームが一つしかありませんでした。それも一番下に。
私はファーストビュー下にもフォームを設置するようお願いをしました。これをするだけで申し込み率は向上します。オプトイン用LPは、ファーストビュー下にもフォームを設置するのが鉄則です。
3.申し込みフォームをシンプルにした
申し込みフォームをファーストビュー下に設置しただけではなく、フォームの入力項目も少なくしました。
添削前は「御社名、担当者名、電話番号、メールアドレス、都道府県、相談内容、問い合わせ内容」の7項目ありました。それを「御社名、担当者名、電話番号、メールアドレス、相談内容」の5項目に減らしてもらいました。
必要のない項目は一つでも減らすようにしてください。項目を減らして申し込み率が高まることがあっても、下がることはまずありません。
4.マイクロコピーを設置した
CTAボタン(申し込みボタン)の下には、「無料相談しても弊社にご依頼いただく必要はありません」というマイクロコピーを設置しました。この一文にしたのは、申し込みボタンを押す人が一番懸念する事柄だと思ったからです。
これがベストかどうかは、ほかの文言でもテストしてみなければわかりません。ですが、何も書かれていないよりは行動を後押ししているはずです。
マイクロコピーだけでも大きなインパクトを与えることがあります。必ず書き添えておきましょう。
関連記事:CTAボタンに使えるマイクロコピーの書き方
5.プロフィールを明記した
今回のLPは、2名の中小企業診断士が強みのため、プロフィールもしっかりと明記しなくてはいけません。顔やプロフィールが見えれば安心感や好感も持たれやすくなります。
今回のLPに限らず、サービス系は「人」が差別化の要素になりやすいです。プロフィール作りにはこだわってください。
6.顔写真の撮り直しをした
顔写真は印象に大きな影響を与えます。
少し手間をかけてでも、見栄えのよい写真を載せるようにします。
今回はより印象をよくするために一部撮り直しをしてもらいました。
7.「事業再構築補助金」の説明を省いた
クライアントのターゲット客は、事業再構築補助金の代行を検討している方です。つまり、事業再構築補助金についてある程度の知識を有しているのが前提になります。よって、補助金の説明をゼロからしている「事業再構築補助金とは」と「事業再構築補助金概要」のパートは削除しました。
今回のように、ターゲット客から見て「余計な情報」を載せているLPはたくさんあります。「もしかしたら、あまり知識がない人も紛れ込んでくるかもしれないから載せておこう」と考えるのも理解できます。しかし、それをやるとメッセージがぼやけてしまい、本当に伝えたい人に刺さらなくなってしまいます。メッセージも刃物と同じように、研ぎ澄ましたものほど刺さりやすくなるのです。
もし「あの人にも」とターゲット層を広げたいなら、ターゲットごとにLPを用意するか、記事を一つ挟むようにしましょう。今回の例で言えば、「事業再構築補助金」を説明した記事を用意して、そこからLPへ飛ばすようにします。そうすれば、LPのメッセージはぼやけず、事業再構築補助金を知らない層もすくい取れるでしょう。
関連記事:記事LPに必要な要素と3つの型(テンプレート)を紹介
8.お客が持つ代表的な悩み(課題)を3つ挙げた
ターゲット客の悩み(課題)を挙げることで、お客は「私の悩みを解決してくれるサービスだ」と認知してくれます。今回挙げた悩みは、「申請するからには採択されたい」「自分で申請書類を作る時間がない」「信用できるコンサルに依頼したい」の3つです。
ここで大事なのは、できる限り3つに絞ることです。2つでも、4つでもありません。3つです。やはり、3つが一番しっくりきます。もし、3つ以外の数を挙げるとしたら、1つです。なぜ1つなのかは、続きをお読みいただければ分かります。
ターゲット客の悩みを挙げるのは、何もお客のためだけではありません。売り手側のためでもあります。悩みを挙げるパートを作れば、自分たちは誰をターゲットにしているのかが明確になります。これにより、ほかのパートでのメッセージもブレなくなるでしょう。
ターゲット客を明確にする意味においても、悩みを4つ以上挙げてはダメなのです。あれもこれもと挙げていたら、ターゲット客がどんどんぼやけていきます。「この人」とピンポイントで狙うなら、悩みは1つだけでも構いません。理想は、ターゲット客をピンポイントに狙ったLPが複数ある状態です。それが難しいようであれば、7で説明した方法を採ります。
9.悩み(課題)と特徴(機能)を対応させた
悩み(課題)を挙げたら、それらを解決できる特徴(機能)があることを伝えます。悩みと特徴は対応させなくてはいけません。
今回の事例で言えば、
悩み1「申請するからには採択されたい」は、特徴1「採択率80%以上」と対応。
悩み2「自分で申請書類を作る時間がない」は、特徴2「必要書類のご案内から申請まで徹底サポート!」と対応。
悩み3「信用できるコンサルに依頼したい」は、特徴3「安心できるサポート体制」と対応。
このようにお客の悩みと特徴を対応させれば、一本きれいな筋道が生まれます。
まとめ
今回は事例をもとにLPの改善点をお伝えしました。
抽象度を上げて考えれば、たとえ業種が違っていたとしても応用できるヒントがたくさん見つかると思います。
コメント