あなたは、セールスライティングを「表現の技法」と捉えていませんか。だとすれば、それは間違いです。セールスライティングは、「マーケティング戦略の反映」または「表出部分」と捉えるのが正しいです。
書籍『最強のコピーライティングバブル』(著 横田伊佐男/監修・解説 神田昌典)にもこう記されています。
売れるコピーライティングは、まさに氷山の一角そのもの。目に見えるコピーライティングスキルは一部分だけだが、その裏の目に見えない大部分が、顧客を想定したマーケティングスキル(ターゲット×提供価値)に支えられている。
世に多くのコピーライティングの書籍が出ているが、その多くがコピーの表現方法(五感や語法)をなでるだけにとどまっている。
書籍『最強のコピーライティングバブル』(著 横田伊佐男/監修・解説 神田昌典)p54
それらを否定するつもりはないが、売れるコピーを書くには、それだけでは不十分である。もし、「提供価値」の「ターゲット」がズレていれば、どんなに語感や技法を工夫しても刺さらない。
このように、セールスライティングにはマーケティング戦略(スキル)が背景にあるのです。
つまり、売れるコピーを書くにはマーケティング戦略となるターゲットティングや商品コンセプトなどがしっかりしていなければなりません。これらがズレていれば、どんなに言葉を並べても商品は売れないのです。
ではここで、マーケティング戦略がセールスコピーにどう影響を及ぼすのか。事例を2つ交えながら解説します。
広告を成功させたマーケティング戦略の事例
事例1 便利屋のチラシを戦略的に考える
便利屋を営む方からチラシの添削を受けた時のことです。チラシには塗装、掃除、手すり設置、水回りの修理など多様なサービスが並んでいました。
商品単価、販売実績、リピート性などを鑑み、私は「剪定」のみをアピールするように伝えました。結果は、過去最大の売上を達成。
もちろん、反応が取れるコピーの書き方も伝えましたが、一番の成功要因は商品を絞ったことです。ここを間違えていれば、このような結果にはならなかったでしょう。
数あるサービスの中から剪定を選べたのは、マーケティングに関する知見が私にあったからです。もし知見が乏しければ、違ったサービスを選んでいたかもしれません。当然、結果も違っていたことでしょう。
事例2 補助金の申請代行のLPを戦略的に考える
事業再構築補助金の申請代行サービスをしている企業からLPの添削を受けました。
同じようなサービスは数多く存在するため、差別化が重要になります。
差別化するには、競合調査が必須です。例に漏れず、私も競合調査をしました。
調査したところ、多くの競合は採択率を前面に出していました。当然です。サービスをお願いする側が一番気にするのは、採択率ですからね。
正直、クライアントよりも高い採択率を上げているところはいくつもありました。そのため、採択率で勝負しても勝てません。競合の引き立て役になるだけです。
クライアントの持つ特徴に「中小企業診断士2名」と「再申請の採択率100%」があります。私はこの2つを強みと捉え、ファーストビューに持ってくるようにしました。
結果は、申し込み率が1.7倍にアップ。
採択率を前面に出していたら、このような結果にはならなかったでしょう。競合と重なる(負ける)強みを避け、クライアントにしかない強みを前面に出したからこその結果です。
このように、ただコピーを書けばよいというわけではありません。マーケティングの基本である3C分析をし、それをセールスコピーに落とし込めなくてはいけないのです。
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セールスライティングは、マーケティング戦略(スキル)が背景にあってのものだとお伝えしました。つまりは、セールスコピーを書くには、マーケティングに明るくなくてはいけません。よって私は、セールスコピーライターをマーケッターの上位職と位置付けています。
優秀なセールスコピーライターは、クライアントにマーケティング戦略を提案します。二流のセールスコピーライターは、クライアントから提示された素材を元に、技法を使ってセールスコピーを書くだけです。二流のセールスコピーライターは、早々にAIに仕事を奪われることでしょう。素材を調理するだけならAIでもできますからね。
まとめ
セールスライティングは、マーケティング戦略(スキル)が目に見える形で表出する部分です。セールスコピーを書きたいのなら、マーケティングへの理解は必須です。セールスライティングを極めたければ、マーケティングへの投資を惜しまないでください。
マーケティングからセールスコピーを考える
広告・販促物の添削サービス
以下、参考文献
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