地域密着型ビジネスでは、タブロイド判のフリーペーパー広告が今も人気です。
※以下、フリーペーパーはタブロイド判を指します。
ですが、広告を出したからといって、費用対効果が必ず合うわけではありません。
「奮発して大きな枠を買ったのに、全然効果がなかった……」なんてこともよく起きています。
私は今まで、広告のアドバイスをしたり、自ら広告を制作したりしてきました。
クライアントからは、「20名程だった広告の反応が50名程になりました」といった声もいただきました。
なぜ私は、フリーペーパー広告で成果を出せたのか。
その秘密は、新聞広告の経験にあります。
私は過去、新聞広告を30回以上出しました。
20万円の予算で300件もの注文を取ったこともあれば、50万円の予算で30件しか取れなかったこともあります。
こうした経験は、新聞と似た形をしているタブロイド判のフリーペーパーでも生きます。
そこで今回、新聞広告の経験をもとに、フリーペーパーの広告戦略について解説したいと思います。

深井 貴明
広島県在住。
1999年から2009年までの約10年間、飲料水・化粧品・医薬部外品・エコ商品などの製造販売会社に勤務。在職中にコピーライティングと出合い、実践と研究を重ねる。FAXDMだけで90日間に1,533件の新規顧客を開拓し、DMのみで1億円の売上を達成するなど、数々の成果を上げる。
2009年より、セールスコピーライター兼コンサルタントとして独立。東証上場企業をはじめ、非上場の大手企業やアフィリエイト専門会社のコピーライターとして活動。また、個人事業主から中堅企業まで幅広く広告・販促物の制作を手がけている。
単なるライティングにとどまらず、常にマーケティング戦略の見直しから取り組み、成果へとつながる言葉を生み出すことを信条としている。
大きな枠は買うな
広告で大切になるのは、枠のサイズです。
「大きな枠になるほど情報をたくさん伝えられるから、反応も多くなる」と考えがちですが、そうではありません。
大きな枠は、かえって反応が悪くなります。
私の経験をもとにした例です。
全3段広告で50件の注文があったとします。
全3段の4倍以上ある一面広告を出したら、注文数が4倍になるかといえば、答えはNOです。
下手をしたら、30件に減ってしまいます。
このような経験をした私は、「刈り取ってしまったのかな」「外部要因が影響しているのかな」といろいろ考えました。そして何度もテストしてみました。その結果、行き着いた答えは枠の大きさです。
「程よいサイズが最も反応が良い」という結論に至りました。
基本、一つのサービスや商品を伝えるのに、全3段か全4段あれば十分です。
それ以上のサイズは、手に余ってしまいます。
一面の広告枠を買ったとしても、大きなスペースを埋めるために、イメージ広告(ポスターみたいなもの)になってしまうのです。一平方センチメートルあたりの情報量で考えれば、薄まってしまいます。
では頑張って、一面全部を情報で詰めたらどうか。
これもやりましたよ。
一面を使って記事風広告を作って、出してみたのです。
ですが、これも失敗。
イメージ広告っぽいものよりもマシでしたが、普通に全3段広告を出しているほうが費用対効果が良かったのです。
反応が薄かったのは、おそらく、1面ビッシリに書かれた文字を読む人は少ないからだと思います。
やはり、どちらにしても一面は手に余るんです。
これらの経験から言えることは、何か。
それは、「同じ予算を使うなら、一面広告を1回出すよりも、全3段か全4段の広告を3~4回出すほうが良い」です。
多くの商品やサービスは、全3~4段の広告枠で十分です。
「一面広告でないといけない」というのは、かなり特殊な条件下です。
いきなり一面枠を買うのではなく、まずは全3~4段から試しましょう。
長期契約は価格交渉ができる

小さい枠を長く続けるメリットは、ほかにもあります。
「価格交渉しやすくなる」という点です。
1回だけの一面広告では「安くして!」とはお願いしづらいです。
しかし、「4回出すから少し安くして」はお願いしやすくなるはずです。
発行元(または広告代理店)も、割と交渉内容を飲んでくれます。
広告枠を埋めるのは、大変な労力です。
数回分先の広告枠が埋まるのは、発行元(または広告代理店)にはありがたいんですよね。
そのため、「数回分の広告を約束する」という条件下なら、割と価格交渉に乗ってくれます。
もちろん、媒体によってなので必ずとは言えませんが、少なからず交渉しやすくなるはずです。
広告効果の減退を知っておく

初めて出す広告は、当たりやすいのをご存知ですか?
フリーペーパー読者は、初めてあなたの商品を目の当たりにするため関心を持ちやすいからです。
ほか、ニーズをまだ刈り取れていないことが多いため、反応が取れやすいのです。
大事なのはここから。
気を良くしてもう一度広告を出してみたら、前回の半分しか反応が取れないという事象が起きます。
続けてもう一度出したら、さらに反応数が下がってしまった。
こうした現象は、珍しくありません。
広告は出せば出すほど、反応は減退していくものです。
同じ広告を出し続けた場合、最終的に8分の1程度になると思ってください。8分の1で底を打ったら、そこから反応は横ばいになります。
デザインを変えれば、多少盛り返すとは思いますが、一時しのぎです。出し続ければまた減退します。
広告の反応が悪くなったときの対処法

小手先のデザイン変更では、抜本的な解決にはなりません。
ではどうしたらいいのか。
打つ手は2つあります。
1.対象者を大きく変える
2.数ヶ月間の時間を置く
1. 対象者を変える
訴求を「肩こり」から「片頭痛」に変えるとか、男性から女性向けにするとか。
訴求軸を大きく変えることによって市場を大きくズラせれば、反応を高められる可能性は十分にあります。
2. 数ヶ月間の時間を置く
一定の期間を置くことで、新たにニーズが生まれる読者が現れます。
たとえば、年齢による「肩こり」などです。
数ヶ月時間を置くことで、今まで肩こりに悩んでいなかった人たちの中から、肩こりを覚える人が出てきます。
このように新たなニーズが生まれるまで一定期間の時間を置くのも一つの方法です。
この二つを同時に回すのが理想です。
1月、A訴求
2月、B訴求
3月、C訴求
4月、A訴求
5月、B訴求
6月、C訴求
商品やサービスによっては、訴求軸の数や休息期間が異なるため、状況に合わせて調整してください。
反応率に影響を与える掲載ページと掲載位置
新聞広告の場合、掲載ページが反応率に大きな影響を与えます。
同じ広告内容だとしても、若いページ(ページ数が小さい)に載るのと、そうでないのとでは反応が変わります。
新聞は基本的に、大きなネタほど若いページに載せるものです。そのため読者は「後ろにある情報は大したことがない」と認識しています。
この印象のせいもあって、後ろのページにある広告ほど反応が下がってしまうのです。また、後ろのページに行くほど単純に読む人の数も減ってしまうため、反応が悪くなります。
フリーペーパーは新聞ほどページ数の影響はないと思いますが、知っておいたほうがいい知識です。
掲載位置も重要です。
新聞の場合、右ページの右上に置かれる広告が一番目に留まります。
当然ですよね。
新聞は右側の右上から読んでいくものですから。次いで、右上の左側が読まれ、その下に行き、同じように右から左にかけて読まれます。
次に反応がいいのは、左ページの右上です。次いで、右上の左側が読まれ、その下に行き、同じように右から左にかけて読まれます。

新聞広告の反応がよいのはここまでです。
真ん中から下は、ほとんど読まれません。よって、広告を出したとしても、反応が薄いのです。
フリーペーパーは新聞ほど大きくはないため、位置の影響はそこまで受けないかもしれませんが、上に位置するほうがいいポジションであることは間違いありません。
反響率を上げるコツ
ここでは、反響率を上げるちょっとしたコツについてお伝えします。
オファーはちゃんと用意する
フリーペーパーを見た人限定のオファー(クーポンなど)を用意したほうが反応率は高まります。
また、限定性も持たせておくと、なお良いです。
どんなオファーが有効かは、色々試して当たりを探るようにしてください。
その際、オファー以外はあまり変えないほうが良いです。
オファーの変更で反応が変わったのかどうかの見極めが難しくなるからです。
記事風広告が良い
商材によっては、記事風広告が有効です。
以前、保険のセミナー集客に記事風広告を出して満席にした経験があります。
記事の構成は「悩み⇒商品紹介⇒実績⇒注文先」といった、基本的なセールスライティングの形にはめて書いていきます。
ただし、周りが普通の広告を出している中、一つだけ記事風広告だと浮いてしまうかもしれません。
商材や状況によりけりですね。
QRコードはこう使え
最後に、とっておきのノウハウを。
広告にはQRコードを載せるようにします。
そして、以下のように記すのです。
「紙面に載せられなかったお客様の声を◯◯人分掲載」
商品によっては、「お客様の声」ではなく「実績」にしても構いません。
大事なのは、「まだまだあるよ」というメッセージを伝えることです。
実際に見に来る人はほとんどいません。ですが、それでいいのです。
「まだ100人ものレビューがあるんだ。きっと、良い商品なんだろうな」と思わせるのが狙いなのですから。
こう思ってもらえれば、必然的に信頼性が上がります。
このやり方は、ほかの広告にも使えます。
まとめ
新聞広告の経験をもとに、フリーペーパーの広告戦略・戦術についてお伝えしました。
ぜひ参考にして、フリーペーパー広告を成功させてください。






