ドラクエに学ぶ、セールスコピーライターのキャリアアップ戦略

誰もが夢中になった『ドラゴンクエスト(以下「ドラクエ」と表記)』。

そんなドラクエの設定の一つに「職業」があります。職業に応じてステータスや覚えるスキルは異なり、どんなパーティを組むのかは、このゲームの面白味の一つです。

子どもの頃には気づかなかったのですが、「職業」という設定は実によくできています。現実の世界でも参考になる点が多々あるのです。

そこで今回、セールスコピーライターのキャリアアップ戦略をドラクエに学びたいと思います。

目次

職業に準じたスキル(魔法や特技)だけを覚え、伸びていく

ご存知だと思いますが、職業によって覚えるスキル(魔法や特技)は異なります。魔法使いなら「メラ」「メラミ」「メラゾーマ」、戦士なら「気合いため」「かもめ返し」「まじん斬り」と段階的に強力なスキルを覚えます。※シリーズによって覚える特技は異なる。

ゲームをしていて、ふと疑問に思ったのです。
ゲームではありえない設定ですが、もし各職業の弱~中スキルだけを習得するキャラがいたらどうなのかと。

考えた末、どんなに幅広いスキルを持っていたとしても大して使い物にならない、という結論に達しました。100の弱スキルよりも最強スキル1つを持っていたほうが役に立ちます。

ゲーム上では職業に応じたスキルだけを覚えるため、今挙げたようなことは起きません。しかし、現実世界では起きているのです。たとえば、「MicrosoftとAdobeなら少し使えます」「英語とプログラミング言語なら少し分かります」といったように。

こうした事象が起きるのは、現実はゲームとは異なり、スキルを覚えてから職業を選ぶからです。状況は違えど、弱スキルを数持つよりも、最強スキル一つあるほうが重宝されるという真理は同じなのです。

ドラクエに学ぶ、転職と上級職業

ドラクエには「転職」というイベントがあります。覚えたスキルはそのままに、レベル1から新たな職業をスタートさせられるのです。たとえば、魔法使いから武道家へ転職しても、今まで覚えた魔法はそのまま使えます。

ここでの悩みどころは、どのタイミングで転職をするかです。
たとえば、魔法使いが魔法を全部覚えてから転職するのか、それとも魔法を全部覚える前に転職するのか。ベストなのは、やはり最強スキルを覚えてからの転職です。半端な状態から転職させると後々後悔します。現実世界でも同じことが言えるのではないでしょうか。

またドラクエには「上級職」という概念があります。
上級職になるには、指定された2つの職業を一定レベルまで高めなくてはいけません。たとえば、バトルマスターになるには戦士と武道家、魔法戦士になるには戦士と魔法使いのレベルアップが必要です。

上級職で面白いのは、職業の組み合わせです。
類似性(関連性)のある組み合わせ、類似性のない組み合わせがあります。たとえば、先程例に挙げたバトルマスター(戦士+武道家)は、打撃系という類似性のある組み合わせです。一方魔法戦士(戦士+魔法使い)は、打撃系と魔法といった類似性のない組み合わせです。

現実世界では「上級職」といった概念はありません(職業差別になっちゃうからね)が、市場価値が高まるスキルの組み合わせはこれと同じです。

市場価値が高まる類似性のある組み合わせの例を挙げれば、
「社労士」なら「ファイナンシャルプランナー」「行政書士」「中小企業診断士」。「電気工事士」なら「電気工事施工管理技士」「電験三種」「高所作業車」があります。

市場価値が高まる類似性のない組み合わせの例を挙げれば、
「簿記」と「英語検定」、「データサイエンティスト」と「Webディレクター」があります。

類似性があるスキルorないスキル、どちらを選べばよいのか

では現実世界において、類似性があるスキルの組み合わせ、類似性のないスキルの組み合わせ、どちらを選べばいいのでしょうか。それは、独立か雇用かによって異なります。

独立をするなら、類似性のあるスキルの組み合わせが吉です。雇用なら、類似性のある組み合わせもOKですが、類似性のない組み合わせは唯一無二の人材へと押し上げてくれます。

なぜ、類似性のないスキルは唯一無二の人材になれるのか。
それは、2つの部署をまたげるからです。

たとえば、英語が堪能で経理業務もできる人材がいたらどうでしょう。資金力が乏しい中小企業は特に欲しがります。英語話者一人と経理一人を採用するよりも、1人に1.5倍の給料を支払ったほうが経済的だからです。

ただし、注意点もあります。
類似性のないスキルの組み合わせは、市場価値を生まないものも存在します。「電気工事士」と「ファイナンシャルプランナー」の資格があっても、市場価値は高まりません。また、2つのスキルのニーズがある会社を選ばなくては評価してもらえません。

セールスライティングとの相性がよいスキルの組み合わせ

先程までの話を踏まえ、セールスライティングのスキルに何を加えていけば、市場価値が高まるのかを解説します。

類似性(関連性)のあるスキルと類似性のないスキルに分けて、考えてみましょう。

セールスライティングとの類似性があるスキル

セールスライティングとの類似性があるスキルは、「そのほかのライティング」「デザイン」「法律」です。

まず、「そのほかのライティング」について。
セールスライティングは、ライティングスキルの中の一つに過ぎません。ほかには、SEOライティング、テクニカルライティング、パラグラフライティング、シナリオライティングなどがあります。ライティングを一通りマスターしようと思えば、それだけで5年以上は費やす必要があります。

次に、「デザイン」について。
ご存知の通り、セールスコピーを用いた広告や販促物は、デザインなしでは完成しません。LPを作るにせよ、チラシを作るにせよ、一定のデザインが必要になります。大抵のセールスコピーライターは、デザインについて不得意なため不完全な状態です。

そのような状態は、クライアントからしても手間です。セールスコピーライターを探して原稿を依頼し、今度はデザイナーを探してデザインを依頼しなくてはいけません。修正が出た際も、双方にお願いしなくてはいけない場合もあります。クライアントからしたら、まるっと任せられるほうがありがたいですよね。

デザインは、デザイン理論を学ぶだけでは足りません。思い描いたデザインを形にするためソフトを使いこなす必要があります。チラシならIllustratorやPhotoshop、LPならHTMLやCSSの知識が必要です。これらを覚えるだけでも、1年以上はかかります。

最後は、「法律」について。
広告を扱っている以上、景品表示法の対象になります。逸脱した表現は法に抵触し、下手をすればクライアントが罰せられる事態にもなりかねません。場合によっては、セールスコピーライターも厳罰の対象になります。

最近、大手企業でも景品表示法に抵触して罰せられるニュースを目にする機会が増えました。国が規制を強めているからだと考えられます。これに伴ってか、2021年から「景品表示法務検定試験(一般社団法人 全国公正取引協議会連合会)」が開設されました。できたばかりのため、合格者はほんの一握りです。

ほかにも、化粧品や健康食品が対象の「薬機法」があります。
こちらも表現規制が厳しく、専門知識がなければ広告なんて出せないほどです。正直言って、逸脱した表現をしている会社はごまんとあります。広告を出している企業も、いつ役所(保健所)から連絡が入るのかと不安な日々を過ごしているはずです。

薬機法には民間資格がいくつかあります。資格がなくても薬機法は十分に学べますが、資格によってその知識を証明したほうが話は早いでしょう。

セールスライティングとの類似性がないスキル

セールスライティングとの類似性がないスキルは、「業界資格」と「潰しが効く資格」です。

まず、「業界資格」について。
業界資格とは、その業界では必須、または必要とされる資格のことです。

たとえば、宅建。不動産業には欠かせない資格の一つです。この資格をもとに不動産会社に就職し、物件を今まで以上に売ればあなたの評価も上がるはずです。

次に、「潰しが効く資格」について。
「潰しが効く資格」とは、業界問わず評価される資格のことです。

代表的なのは「語学」「簿記」「労務」です。
たとえば、セールスコピーライターが「簿記2級」を有していたら、広報と経理の二役を担えます。そうなれば、就職先では希少な人材となるでしょう。

「語学」も潰しが効く資格です。
中小企業が海外へ進出できない理由の一つは、言葉の壁です。一人、外国語が得意な人が入れば、海外進出のハードルはぐっと下がります。

私の知る企業も、英語が得意な人が入社しただけで、海外への情報発信がスムーズになりました。YouTube動画に英語のタイトルと字幕を付けて配信するようになり、海外からの問い合わせが増えたのです。

英語圏や中国語圏のマーケットはどれも日本の10倍です。
コンテンツビジネスをしているなら、日本語を外国語に変換するだけで売上は10倍になります。セールスライティングに語学が加われば、販路の拡大を一手に担えます。企業からしたら、手放したくない人材になるはずです。

まとめ

ドラクエに学ぶ、セールスコピーライターのキャリアアップ戦略について解説しました。あなたが考える、相性のよいスキルがあれば、ぜひコメントください。
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