ガンダムシリーズの中でも、私が特に好きな作品は『ガンダムW』です。
私が小学4年生~5年生の頃にかけて放映され、アニメ見たさに走って帰った時のことを今でもよく覚えています。
登場人物のデュオ・マックスウェルが大好き過ぎて、私の人格形成にまで影響をもたらしました。私が楽天的なのは、遺伝よりもデュオによるものが大きいです。
さて、そんなガンダムWにOVA『ガンダムW ENDLESS WALTZ』があります。実はこの作品、デュオと主人公ヒイロのやり取りから、「信頼」について学べるシーンがあります。
まずは、そのシーンを紹介しましょう。
広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。
2つの信頼をデュオに示したヒイロ
先の戦争を終え、平和が訪れたかのように見えた宇宙。暗躍する組織の存在を察知したヒイロとデュオは、シャトルに乗って敵地のコロニーへと向かいます。
移動中、ヒイロはシャトルの座席で眠りはじめます。それを見たデュオは、ヒイロが寝ていることに驚きと嬉しさの表情を浮かべます。
ヒイロを知っている人なら分かると思いますが、元々彼は、他人を信頼する人間ではありません。先の戦争で成長したヒイロは、戦友のデュオに対して寝顔を見せてもいいと思うようになっていたのです。つまり、ヒイロの寝顔は、デュオを信頼できる人間だと認識していることの表れなのです。
目的地付近に着いたデュオとヒイロは、コロニー内に侵入するためモビルスーツの防衛部隊へと突っ込みます。雨のように降り注ぐビームライフルを避けながら、シャトルを操縦するデュオは、ヒイロにこう聞きます。
「どうだ!俺の腕も大したもんだろ?」
「ああ。最初からお前の技術は当てにしている」。
冷静な面持ちで答えるヒイロ。「嬉しいこと言ってくれるぜ」と喜ぶデュオ。
このシーンは、ヒイロがデュオの操縦能力に絶対の信頼を寄せていることを表しています。
さて、一連のシーンに2つの信頼が表現されていましたね。「人間への信頼」と「能力への信頼」です。
「人間への信頼」と「能力への信頼」
書籍『安心社会から信頼社会へ』(著 山岸 俊男)によれば、信頼は大きく分けて2種類あるそうです。「意図への信頼」と「能力への信頼」です。
※正確には「相手の意図に対する期待としての信頼」「相手の能力に対する期待としての信頼」と記されていますが、便宜上、本記事では「人間(意図)への信頼」と「能力への信頼」とします。
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2つの信頼の違いを感じてもらうために、一つの思考実験をしてみます。
あなたにとって、人間的に信頼できる人を思い浮かべてください。両親でもいいですし、親友でもいいです。あなたを裏切らず、あなたのためを思って行動してくれる人です。
さて、その人にあなたが乗るヘリコプターの運転を任せられますか? おそらく任せられないと思います。免許がありませんからね。いくら人間的に信頼が置けるとしても、「能力への信頼」がないため、任せられないのです。
『ガンダムW ENDLESS WALTZ』に話を戻しましょう。
先の信頼の定義からすれば、ヒイロはデュオを、人間と能力(操縦)のどちらも信頼しているわけです。戦友としてこれほど嬉しいことはないでしょう。
本当に萌えるシーンであり、間柄です。
こうした心理学の見地から作品を眺めると、一層面白く感じますね。
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