『PREP(プレップ)法』という有名な記事の書き方があります。
※PREP法とは、『Point(結論) ・ Reason(理由) ・ Example(事例) ・ Point(結論)』を略したもの。
PREP法は、記事が書きやすいのですが、検索上位は狙えません。浅い記事しか書けないからです。
検索上位を狙いたければ、もっと広く深い記事を書く必要があります。
そこで今回、『PREP(プレップ)法』を強化させた『PRBREP法』をご紹介します。『PRBREP法』に沿って記事を作れば、検索上位が狙えるはずです。
広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。
元祖『PREP(プレップ)法』とは
有名な『PREP(プレップ)法』の構成は、以下です。
『PRBREP法』とは
『PRBREP法』の構成は、以下です。
私が提唱する『PRBREP法』とは、『Point(結論) ・ Reason(理由) ・ Basis(根拠)・Rebuttal(反論への反論・Example(事例) ・Point(結論))』で構成される文章です。
『PREP法』と比較すると「Basis(根拠)」と「Rebuttal(反論)」が増えているのが分かります。
B.根拠の書き方
まず「根拠」の解説をします。
『PREP法』では「Basis(根拠)」がありません。これは致命的な欠陥と言わざるを得ないでしょう。「根拠」の代わりに「事例」を用いていますが、いくら事例を用いたところで説得力に欠けます。
今の時代、科学的・統計的根拠がなければ、読者は納得してくれません。事例も、根拠をしっかりと明示した上で紹介したほうが説得力は強まります。
日本人には不安を煽るセールスライティングが有効です。
なぜなら不安を感じやすい民族だからです。
「日本人が不安を感じやすい」は、遺伝学的にも証明されています。こちらの調査結果を見てください。
といった流れで根拠を提示します。
R.反論への反論の書き方
次に「Rebuttal(反論への反論)」の解説をします。
「Rebuttal(反論への反論)」は、話の流れ上、使ったり使わなかったりします。反論への反論が思いつかない場合は、無理に用意する必要はありません。
反論への反論の仕方には形式があります。
「~~といった反論もあるだろう。確かに~~な一面はある。しかし~~だ」
まず、想定される反論を挙げます。次に、「確かに」と一定の理解を示しつつも、「しかし(だが)」を用いて反論への反論を展開していきます。
ポイント(結論): 今後の都市計画においては、緑豊かな公園の整備が必要である。
理由: 市民の健康と心の安定を促進するため。
根拠: 多くの研究によると、緑の多い地域に住む人々は、そうでない地域に住む人々に比べてストレスが少なく、全体的な健康が向上していることが示されている。
反論への反論: 一部では公園の整備には高額なコストがかかると指摘される。確かに、設備には費用がかかる。だが、長期的に見れば医療費の削減や観光収入の増加につながるため、投資の効果は大きい。
事例: 例えば、ニューヨークのセントラルパークは、都市部における大規模な公園の成功例として知られており、地域社会に多大な利益をもたらしている。
結論: したがって、緑豊かな公園の整備は、多額の初期投資が必要であるものの、公衆の健康促進と経済効果の面でその価値は計り知れない。
『PRBREP法 強化版』とは
一つの理由に対して根拠を3つ挙げると、論がさらに強くなります。
結論: 企業はリモートワークを恒常的な働き方として採用すべきである。
理由: 労働者の生産性と満足度を向上させるため。
根拠1: 多くの調査によれば、リモートワークを行っている従業員は通勤時間が削減され、その時間を仕事やプライベートに有効活用している。
反論への反論1: チームワークの低下を引き起こすとの不安の声もある。確かに、直接会わなければチームワークの低下を引き起こすという不安も頷ける。だが、オンラインでの活動を強化し、週に一度の全体会議を設けることでチームの連携と情報共有を確保することができる。
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根拠2: 統計によると、リモートワークを導入した企業の多くが、従業員からのポジティブなフィードバックを得ており、仕事の自由度と柔軟性が向上している。
反論への反論2: 従業員の自主性が低下するという懸念もある。確かに、物理的な距離が自主性を低下の要因にはなるだろう。だが、定期的なパフォーマンスレビューと個々の目標設定を行うことで、自発的な働き方を促進し、監視の必要性を減らすことは可能である。
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根拠3: リモートワークを導入している国際的な企業では、オフィス維持費の削減により、その分を従業員の福利厚生や技術革新に再投資できている。
反論への反論3: オフィス文化の消失されてしまうと問題視もされている。確かに、リモートが進めがオフィス文化は消えゆくかもしれない。だが、企業文化をデジタル空間に移行させ、オンラインでの社内イベントを積極的に行うことで、社員間の結びつきと企業文化を維持することが可能である。
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事例: テック業界の大手であるGitHubはリモートワークを完全に導入し、従業員から高い満足度を得ており、その結果、創造性と生産性が向上している。
結論: 以上の理由から、リモートワークの恒常化は労働者の生産性と満足度を向上させるだけでなく、企業にとっても多くの経済的利益をもたらすため、積極的に推進すべきである。
見ての通り、ほとんど隙がない論理展開です。
実はさらなる強化版もあるのです。『PRBREP法 完全版』です。次の見出しから解説します。
人の論に対して、「根拠」ではなく「事例」に噛みついている人を時々見かけます。一番頭の悪い反論のし方です。事例は、根拠を具体的に説明する表現手段でしかありません。だから、いくら噛みついても論は崩せません(だから、事例に対しての反論への反論は必要ない)。見方を変えれば、事例に噛みついてきたということは、理由や根拠を覆せなかったとも言えます。
※事例はあるけど根拠がない場合。
ビジネスによっては、どうしても根拠を用意できない場合があります。そんなときは事例を使って「共感(感情)」に働きかけるのが有効です。詳しくは、こちらの記事『「共感型文章」と「納得型文章」の書き方と違いについて』が役に立ちます。
【補足1】
理由の後に「説明」を挟む場合があります。これは従来の『PREP(プレップ)法』であってもです。
【補足2】
根拠が加わったことにより、「事例」の存在意義は薄くなります。「事例」がなくても十分に論として成立します。
『PRBREP法 完全版』とは
『PRBREP法 完全版』の構成は、以下です。
結論に対して柱(理由+根拠+事例)を3本用意するのが完全版です。
主張に対して柱(理由+根拠+事例)が1本だけなら、批判者は「論を崩してやろう」と思うかもしれません。柱(理由+根拠+事例)が3本あったらどうでしょう。批判者も「この結論を崩すには骨が折れるな」と思うはずです。
コピーライティングを学んできた方なら知っていると思いますが、「3」は説得力のある数字です。「3つの理由」「3つのメリット」「3大名所」「ベスト3」などと、3を用いたものは多いです。3つは覚えやすいですし、しっくり感があるからです。同じように、結論を支える柱は3本あったほうが安定感は増します。
『PRBREP法 完全版』通りに書くのは大変です。だからこそ説得力が増し、反論する側も反論が難しくなるのです。
『PREP法』を使っている人を出し抜きたい方は、ぜひご活用ください。
結論: 日本政府は、全国規模での自転車利用促進政策を導入すべきである。
理由1: 自転車利用の促進は、交通渋滞の緩和に寄与する。
根拠: 多くの都市で自転車専用道路の拡充が進められた結果、自動車依存が減少し、ピークタイムの交通渋滞が明らかに緩和されている。
反論への反論: 自転車専用道路の設置にはコストがかかるという意見もある。確かに、専用道路の設置にはコストがかかる。だが、長期的には交通渋滞による経済的損失を削減できるため、コストパフォーマンスは非常に高い。
事例: オランダのアムステルダムでは、市内交通の40%以上が自転車で行われており、交通渋滞が非常に少ないことで知られている。
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理由2: 自転車の普及は環境保護に貢献する。
根拠: 自転車はゼロエミッションの交通手段であり、大気汚染の削減に直接的に寄与する。
反論への反論: 自転車の利用が現実的でないとする意見もある。確かに、そんなことが市民の賛同が得られるのかと思うかもしれない。だが、いくつかの都市部でのシェアサイクルシステムでは市民の賛同が得られ、成功している。
事例: パリでは、Vélib’ シェアサイクルシステムが導入されて以来、自転車利用者数が急増し、都市の大気質が改善されている。
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理由3: 自転車利用の増加は国民健康の向上にも繋がる。
根拠: 定期的な自転車利用は、心臓病や糖尿病などの生活習慣病のリスクを低減する。
反論への反論: 安全性の問題を心配する声もある。確かに、自転車が増えれば、自転車による事故も増えるだろう。だが、適切な自転車インフラと法規制の整備により、事故リスクは大幅に減少できる。また車よりも安全である。
事例: デンマークのコペンハーゲンでは、市民の大半が日常的に自転車を利用しており、国全体の健康水準が非常に高いと評価されている。
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結論: これらの理由から、自転車利用の促進は交通、環境、健康の各面で多大な利益をもたらすため、日本政府は全国規模での自転車利用促進政策を積極的に推進すべきである。
完全版の場合、長文になりやすいため「事例」がしつこく感じることがあります。そんなときは、外してもらって構いません。
【柱を3本用意するコツ】
先に「理由は3つある」と見出しに書きましょう。それから理由を3つ考えます。不思議と思いつくものです。私も会話している時に「理由は3つある」と言い、話しながら理由を3つ考えます。思考訓練にもなって面白いです。
根拠は、理由が浮かんできてから探しに行きましょう。ChatGPTやネット上で論文を漁れば、都合のよい論文が見つかることがあります。
結論を支える柱(理由-根拠-事例)は、あるから書くのではなく、探してくるものだと考えてください。まずは、「理由は3つある」と宣言する。何を理由や根拠にするのかは、後から考えればいいのです。
まとめ
完璧な論を張れる型は何か。
そう模索して辿り着いたのが、今回の『PRBREP法』です。
正直、これ以上のものがあるなら教えてほしいぐらいです。それぐらい自信があります。
自分の論理的思考力も鍛えられます。ぜひ活用してください。
オススメは、『PRBREP法 強化版』なら「1つの理由に対して3つの根拠」、『PRBREP法 完全版』なら「3つの理由に対して各1つずつの根拠」です。
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