『推しの子』の黒川あかねに学ぶ、リサーチの心得

大人気アニメ『推しの子』を見ていますか?
私は毎週欠かさず見ています。

第7話『バズ』の終盤、黒川あかねがアイドルのアイになりきるシーンは鳥肌ものでしたね。
アイのマネなんて誰にもできない、と思っていたアクアもビックリです。

さて、黒川あかねはアイになりきるために、一体何をしたのでしょうか。
アニメを見ている方はご存知かと思いますが、入念なリサーチをします。

黒川あかねがしたこの行動、セールスライティングにも通じるものがあります。いや、リサーチの姿勢は全く同じと言っても過言ではありません。

ということで今回は、黒川あかねからリサーチの真髄を学んでいきましょう。

この記事を書いた人
セールスコピーライター
深井 貴明

広島県在中。
1999年~2009年の約10年間、飲料水、化粧品、医薬部外品、エコ商品などを製造販売する会社に勤務。そこでコピーライティングに出合い、実践と研究を繰り返す。FAXDMだけで90日間に1,533件を新規開拓、2,000件に満たないリストから1億円を売り上げるなどの成果をあげる。
2009年からセールスコピーライター&コンサルタントとして活動を始める。東証上場企業、非上場の大手企業、アフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして従事。ほか、個人事業主から中堅企業までの広告・販促物制作に携わる。
「進化心理学×行動経済学」の知見をセールスライティングに落とし込んだ独自の理論を提唱している。

目次

ターゲットは何を考え、何を思い、どんな人間なのかを想像する

黒川あかねは、アイをトレースするため記事や写真、動画を調べ、人物像を推察していきます。

パソコンでアイを調べながら、ぶつぶつと言っているシーンの台詞です。

特徴はやっぱりあの瞳、自信から来るもの? だとしたら承認欲求は満たされている。友人関係は薄そう。でも異性関係は何かあるだろうな。家庭環境は良い? いや、この人格形成は劣悪な方向かな。愛情の抱き方に何かしらのバイアスあり。秘密主義と暴露欲求。破天荒な言動に反し完璧主義者。無頓着さと過度な執着。金銭感覚は節制傾向。ファッションはやや無関心。視力は良い。聴覚と嗅覚が過敏。歩き方が大股。教育レベルは低め。箸の持ち方が少しいびつ。発達障害の傾向。思春期の段階で性交渉があった子特有のバランスの悪さ。15歳あたりから破滅的行動に改善が見られる。良い出会いが会ったのかな?

アニメ『推しの子』第7話「バズ」より書き起こし

セールスライティングでは、黒川あかねのように「特定の誰か」をリサーチすることは基本ありません。ですが、中心的な人物像を思い描くためにリサーチは行います。その時、表層的には見えてこない、奥深くにある人間像を捉えることが大切です。私の事例を元にお話しします。

輪郭が見えるまでリサーチをする

パソコンのタイピングを教える会社のLPを制作しました。
私自身、気づいたらタイピングができていたクチなので、正直、タイピングができない人の悩みが直感的に理解できませんでした。しかし世の中には、お金を払ってでもタイピングを覚えたい人がいるのも事実です。

クライアントにヒアリングをして、タイピングができずに悩む人たちの悩みを聞き出します。それだけではなく、検索、質問箱、SNS、YouTube、Kindle本、チャットGPTなども使い、タイピングができない人の悩みをリサーチしていきます。

そうしていくうちに、タイピングに悩む人の輪郭が見えてくるのです。どんな一日を過ごしているか、不満を抱えている場面が浮かび上がってきます。ここまで来たら、リサーチ終了です。後は、その人に話すつもりでセールスコピーを書き始めます。

私の場合、リサーチだけで2日間、長いときは10日間かかります。
「何がニーズなのか」を情報レベルで知るだけなら1日で済みます。輪郭が浮かび上がるレベルまで知ろうとすれば、1日では足りないのです。特に自分の理解が及ばない分野なら、なおさらです。
関連記事:【マル秘】セールスライターが使うリサーチシート(3C分析)

まとめ

アニメ『推しの子』の黒川あかねをネタに、リサーチの心得を学んでみました。
リサーチは、セールスライティングの完成度を左右する大切な工程です。黒川あかねの姿勢を参考にしてぜひ取り組んでください。

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