2度にわたってアニメ化された人気漫画『ダイの大冒険』。
この作品では、主人公 勇者ダイよりも、魔法使い ポップのほうが人気を集めています(後に大魔導士となります)。
なぜポップは人気があるのでしょうか。
その人気の秘密には、「人の心を動かすレビュー」を作るためのヒントが隠されています。
今回は、ポップの人気の秘密を明かしながら、それをレビューにどう応用できるかを解説します。
ポップが人気である3要素
ポップが人気を集める理由は、3つの要素にあります。
1.弱者からの成長ギャップ
2.成長過程の葛藤描写
3.周囲への影響の描写
一つずつ説明しますね。
1.弱者からの成長ギャップ
・ジャイアンが良い奴になる。
・不良が更生して真面目になる
・ビリギャルが慶応に合格する
こうしたギャップ要素に対して、人の感情は無条件に反応してしまうのです。
では、ギャップを生み出すコツは何でしょうか。
それは、最初の立ち位置をできるだけ下げることです。
ポップで言えば、「仲間を置いて逃げるほどの弱虫で薄情者」というのが、彼の初期の立ち位置です。
それが次第に勇気を振り絞るようになり、仲間のために自己犠牲をもいとわなくなるのです。
子どもの頃、父の車の中でポップがメガンテを放つシーンを読み、ボロ泣きしたのを今でも覚えています。
レビューも同じです。
深い悩みが解決したレビューほど、ギャップは大きくなり、ユーザーの関心を引くのです。
2.成長過程の葛藤描写
ダメダメだった人物が障害を乗り越えて成長していく。
このような成長物語は、多くの漫画で描かれています。
同じように成長を描いていても、ポップは強く人の心を打ちます。
それは、葛藤をしっかりと描いているからです。
ポップというキャラクターを象徴するシーンは、クロコダイルとの戦いです。
戦いから逃げたポップは、仲間を助けたいがその勇気がない。
その時、偽魔法使いの助言により、クロコダイルのいる城へと向かいます。
ダイを助けに向かうまでの葛藤が、ポップへの感情移入を誘っています。
ポップの内心(葛藤)を見てきているからこそ、成長に感動できるのです。
レビューも同じです。
商品を見つけてから、すぐに買うわけではありません。
何かしらの葛藤があり、最終的に購入へと踏み切ります。
「買おうかどうか迷った」「他のものと比較した」
こうした葛藤を描くことで、読み手は感情移入をし、購入に踏み切りやすくなるのです。
3.周囲への影響の描写
ポップの魅力を引き立てているのが、他のキャラクターへの影響です。
ポップと戦った者たちはみな、心を入れ替えて仲間になっていきます。
特に、ハドラーの最期は涙なくして語れません。
「……神よっ!!
人間の神よ!!!
魔族のオレがはじめて祈る…!!
もし本当に… おまえに 人間を司る力があるのなら こいつを…!!
この素晴らしい男だけは生かしてくれっ!!!」ジャンプ・コミックス版の第17巻「よみがえった魔神!!!の巻」より
このセリフをハドラーに言わしめたポップ。
そしてここまで心変わりしたハドラー。
ああ、涙が……。
ストーリーは変化を描きますが、成長だけを描けばいいというものではありません。
周りにいる人間の変化を描くことも重要です。
レビューも同じです。
自分自身の変化だけでなく、家族など周囲の変化についても語られているほうが望ましいです。
周りの変化がベネフィットとなり、消費行動を促進します。
売れるレビューを作るための質問事項
3つの要素を盛り込んだレビューを書いてもらうには、適切な質問を投げかける必要があります。
以下のテンプレートを使えば、自然と「売れるレビュー」が作れます。
①【過去の悩み】
Q.「商品名」を知る前、どんなことで悩んでいましたか?
※その悩みは、いつ頃から持ち始め、どんな状態だったのか。
②【行動のきっかけ】
Q.その悩みを解決しようと思った“きっかけ”は何ですか?
※何か決定的な出来事や感情の爆発があれば。
※特にない場合は、この質問は飛ばして構いません。
③【解決に向けての行動と挫折】
Q.その悩みを解決するために、何か試したことはありますか?
※試してみてダメだったことなど。
※特になければ、この質問は飛ばして構いません。
④【出会いと第一印象】
Q.「商品名」をどこで、どのようにして知りましたか?
その時の第一印象などはどんなものでしたか?
⑤【迷い・比較】
Q.すぐに購入しなかった場合、どんなことに引っかかっていましたか?
※障害になっていたものや、比較していた商品などがあれば。
※すぐに購入した場合、この質問は飛ばして構いません。
⑥【決め手】
Q.最終的に購入を決めた“決め手”は何でしたか?
※他にも比較していた商品と比べてどうだったかなど。
⑦【使ってみた感想・変化】
Q.実際に使ってみて、最初に感じた効果や抱いた感想は何ですか?
Q.現在の状態や結果(成果)を教えてください。
Q.「これはすごい」と思った体験などがあれば教えてください。
⑧【周りの評価・反応】
Q.「商品名」を使ってみて、周り(家族・同僚・友人)からの評価や反応は変わりましたか?
※変化があれば、具体的にどんなふうに評価や反応が変わったのか。
※特になければ飛ばして構いません。
⑨【代替現実(ギャップ演出)】
Q.もし「商品名」を使っていなかったら、今ごろどうなっていたと思いますか?
※当時の自分のままだったら…と想像すると?
⑩【共感・推薦】
Q.どんな方に「商品名」を勧めたいと思いますか?
※同じように悩んでいる人がいたら、どんなふうに勧めたいか。
まとめ
『ダイの大冒険』のポップを題材に、売れるレビューの要素について語ってみました。
本記事を参考に、あなたのレビューもアップデートしてみてください。

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深井 貴明
広島県在住。
1999年から2009年までの約10年間、飲料水・化粧品・医薬部外品・エコ商品などの製造販売会社に勤務。在職中にコピーライティングと出合い、実践と研究を重ねる。FAXDMだけで90日間に1,533件の新規顧客を開拓し、DMのみで1億円の売上を達成するなど、数々の成果を上げる。
2009年より、セールスコピーライター兼コンサルタントとして独立。東証上場企業をはじめ、非上場の大手企業やアフィリエイト専門会社の専属コピーライターとして活動。また、個人事業主から中堅企業まで幅広く広告・販促物の制作を手がけている。
単なるライティングにとどまらず、常にマーケティング戦略の見直しから取り組み、成果へとつながる言葉を生み出すことを信条としている。


